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メールマガジン 2018年 11月号

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 春秋社 メールマガジン

          2018年 11月号【Vol.006】
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◇2018年、春秋社は創業100年を迎えます◇

■目次■
▼巻頭エッセイ:物理の話 渡仲幸利
▼新刊案内(11月刊行)
▼近刊案内(12月刊行予定)
▼重版情報
▼100周年フェア開催中!
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼編集後記


●巻頭エッセイ
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 物理の話          渡仲幸利
 第10回 湯川秀樹
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 湯川秀樹は「強い力」を解明した。それはもっとも根源的な力の解明だといってよく、その名を中間子論という。あまりに画期的な研究で、大御所ボーアからも、きみは新しく粒子を増やすのが好きだね、とちゃかされた。
 いまでこそ、力の場があればそれを量子化して粒子像を得るのは、専門家たちにとってあたりまえの手法なのかもしれない。重力があるのだから重力波があるし、重力子もある、といった具合である。けれど、この手法を初めて意識して用いたのは湯川だった。かれの理論の裏には、力とはなにか、量子化とはなにか、さらには、そもそも粒子とはなにかという、答えなどない、なんともすっきりしない曖昧な思考がいっぱいあったはずなのである。
 こんなことをいいたくなるのも、じつは湯川こそ、創造の原点にあるごちゃごちゃしてどろどろした試みのほうに、現代でもなお考えるべき本質がある、とくりかえし口にしていたひとだからである。のちのひとたちによってきちんと整理されてしまった思考はつまらない、と事あるごとにこぼしていた。考える必要のないことをごたごたと考えることが自分の物理学だ、とかれは信じていた。
 こんな物理学を必死にやるのに社会的な理由は無意味だろう。おもしろいからやる。つまらなくなったらやめればいい。晩年の反時代的な素領域論にしてもそうである。湯川の物理学に現われる剛胆さは成果からは来ない。根源的な謎のほうから来て、既成の枠を揺さぶりつづけるのである。
      (となか・ゆきとし◎哲学者。)
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☆新刊案内(11月刊行)☆
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●観音経講話
釈 宗演 著
A5判/3000円
【内容】日本近代の一大傑僧、釈宗演老師が観音さまの心を語って、現代の我々の心にもずしんと響く、感動の名講話集。「智慧と慈悲と勇猛心」の観音さまの心をどう生きるか。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-14434-3/
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●聖書の情景 〈創業100年記念出版〉
深井智朗 著
四六判/2000円
【内容】人間の愚かさ、切なさ、いじらしさ。人類の祖アダムやイスカリオテのユダからキリニウスまで全二六人、聖書が語る赤裸々な人間のすがたが、あなたのこころをふるわせます。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-32378-6/
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●自然魔術師たちの饗宴 ――ルネサンス・人文主義・宗教改革の諸相
澤井繁男 著
四六判/3600円
【内容】中世の知が色褪せ、いまだ科学革命の曙光が射さぬ闇のなかで、自然の理の解明を試みて魔術師と呼ばれた者たちと時代の煌めき。ルネサンスに学究生活を捧げた著者の集大成。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-32380-9/
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●秘教講義1 (全2巻)
ルドルフ・シュタイナー 著 高橋 巖 訳
四六判/4800円
【内容】長らく非公開であった人智学の奥義書(1924年)。シュタイナー最晩年の秘教学級「霊学自由大学第一学級のための秘教講義」全19講を収録。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-32547-6/
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●プラグマティズムの格率 ――パースとプラグマティズム
クリストファー・フックウェイ
村中達矢/加藤隆文/佐々木 崇/石田正人 訳
四六判/5000円
【内容】アメリカが生んだ独創的哲学者パース。プラグマティズムの祖というにとどまらない天才の全貌を、可謬主義や真理と実在への革新的説明など多様な視点から明らかにする。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-32362-5/
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●リフレッシュ・ピアノ・メソッド
岳本恭治 著
A5判/1800円
【内容】ピアノを習う人が勘違いしがちなことを取り上げながら、ピアノへの正しい向き合い方や、本当に効果のある練習方法をわかりやすく解説。付録:『エリーゼのために』徹底攻略法。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-93797-6/
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●書の美 祈りのしずく
菊池 彩 著
B5判/3500円
【内容】書の古典を基に線質の追求とアーティスティックな感性を拠り所にしつつ、独自の美的表現を志向する斬新な書芸術の作品集。書アートに精神美を希求し続ける創造の地平。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-95114-9/
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★近刊案内(12月刊行予定)★  http://www.shunjusha.co.jp/coming.html
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『日本仏教と修験道』
宮家 準 著
日本仏教の修行や人々を救済する具体的な方法の中に、民俗宗教である修験道の営みと共通する事項を抽出し、それを通して民俗宗教思想の展開を跡づける。

『神田明神のこころ』
大鳥居信史 著
神道と日本人の心とは。若者や企業人にも人気の、魅力の神田明神をテーマに、そのすべてが分かる一冊。神田明神の成り立ちや、天下祭の神田祭のことなど、盛り沢山の内容。

『もの ――現代的実体主義の存在論』
加地大介 著
現代の物質像の根本的変容に対し、アリストテレス以来の実体主義を洗練、個体・因果・時間に関わる問題に解決の見通しを与え、実在の本性に迫る包括的z形而上学理論の構築。

『秘教講義2』(全2巻)
ルドルフ・シュタイナー 著  高橋 巖 訳  飯塚立人 解説
「霊学自由大学第一学級のための秘教再講義」全7講、「秘教講義」プラハ・ベルン・ロンドン、「クリスマス会議」より三つの講演、訳者による「秘教講義の読み方」を収録。

『雑品屋セイゴオ ZAPPin'YA SEiGOW』
松岡正剛 著
オブジェへのフェチを存分に語り尽くしたセイゴオワールド全開の異色の書。120もの「商品」を陳列、ノスタルジックな思い出で味付けした。ウィットの効いたイラスト付。

『楕円形のこころ ――がん哲学エッセンス』
樋野興夫 著
病気であっても病人でない暮らしをするために、病理医が贈る言葉の処方箋。前向きな考え方と琴線に触れる言葉で、あなたらしく人生を最期まで豊かにする心のメッセージ。

(※刊行時期は変更となる場合がございます。)


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☆重版情報☆
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12/10(月)『唯識入門』好評5刷

日本経済新聞朝刊「私の履歴書」11/25(日)掲載分にて著者自らがその内容に触れ、話題に!
緊急重版が決定いたしました!

全国の書店様でお買い求めいただけます。小社に直接ご注文される場合は、下記までご連絡ください。

電話番号 03-3255-9611(営業部)


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★100周年フェア開催中!★
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春秋社の常備書店を中心に、創業100周年記念ブックフェアを開催いたしております。ぜひとも、お近くの開催書店へお出かけください。
開催書店は時期・期間・規模などがそれぞれ異なりますので、詳しくは小社または開催書店へお問い合わせください。

◆現在開催中の店舗一覧はこちら → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/752


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☆webマガジン「web春秋 はるとあき」☆
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2018年6月より小社のwebマガジン「Web春秋」が「web春秋 はるとあき」として、装い新たに生まれ変わりました!
『春秋』でご好評いただいていた連載陣(※)を加え、充実の内容をお届けします。
今月より小社刊行書籍をご紹介する「Close-up! この一冊」コーナーが始まりました。

https://haruaki.shunjusha.co.jp

☆Close-up! この一冊☆

『ノマド――漂流する高齢労働者』(ジェシカ・ブルーダー 著 鈴木素子 訳)
https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/1395

『慈悲の瞑想――慈しみの心』(B・H・グナラタナ 著 出村佳子 訳)
https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/1401

★好評連載中★
「人と鳥の文化誌」細川博昭
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/649

「ソウセキ・コード」古山和男
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/636

「書庫冒険譚」川崎昌平
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/639

「やさしい気持ち」今井田博
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/637

「菌は語る――ミクロの開拓者たちの生きざまと知性」星野保
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/111

「極楽の原風景」若麻績敏隆(※)
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/105

「チョンキンマンションのボスは知っている――香港のアングラ経済と日本の未来」小川さやか
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/112

「希望のディアスポラ――移民・難民をめぐる政治史」早尾貴紀
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/101

「GEIJUTSU論――藝術2.0をさぐる思考の旅」熊倉敬聡
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/117

「空海とソーシャルデザイン」兼松佳宏
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/115

「〈性〉なる家族」信田さよ子(※)
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/107

「精進料理のこころ」吉村昇洋(※)
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/108

「記憶する体」伊藤亜紗
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/114

「大正・昭和前期の宗教と社会」島薗進(※)
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/106

「イザベラ・バードの見た日本」赤坂憲雄
 https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/118


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□編集後記□
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 今年も残すところあと1ヵ月。巷では「平成最後の〇〇」という表現をよく見聞きするようになりました。どちらかといえば普段は西暦を用いるのが一般的であるはずなのに、ここぞとばかりに「平成」が多用されている気がしてなりません。
 ときに、書籍の巻末に書誌情報などを明記する部分のことを「奥付(おくづけ)」と呼びますが、ここに記載される発行日もやはり、現在では西暦を用いるのが主流です(とはいえ、小社の書籍にも和暦のものがございます。ぜひお手元の本でお確かめください)。これもかつては、ほとんどが和暦で記されていました。昭和という時代が、それだけ長かったということでしょうか。改元を経たからなのか、やがて西暦表記が大多数を占めるようになったそうです。次はどのような元号になるのでしょうか。来し方行く先に思いを巡らせながら、小社の「平成最後の本(たち)」を送り出すことといたしましょう。

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□春秋社 メールマガジン□ 毎月25日ごろ配信

発行:株式会社 春秋社
〒101-0021 東京都千代田区外神田2-18-6
Eメール: info@shunjusha.co.jp
ホームページ: http://www.shunjusha.co.jp/
Twitter: https://twitter.com/shunjusha/
web春秋 はるとあき: https://haruaki.shunjusha.co.jp/

◆書籍のご注文はお近くの書店か小社営業部にお願いいたします。
(TEL:03-3255-9611、FAX:03-3253-1384)
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■バックナンバー
2018年 9月号【Vol.004】
https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/1258
2018年 10月号【Vol.005】
https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/1354

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