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メールマガジン Vol.071

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 春秋社 メールマガジン【Vol.071】
   2025年 2月 7日配信
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 巻頭言

『純粋理性批判』の知名度は哲学書のなかでも最上位ではないかと思います。
その評判は、「人間の知性とは何か、その限界を明らかにした」とか、「哲学の転換点」とかで、とにかく高いものです。
その高い評価とともに難解さでも知られ、多くの訳と解説書が出ているにもかかわらず、近づきがたいままです。
そんな『純粋理性批判』に近づくための新たなルートが今回開拓されたのです!
『『純粋理性批判』を立て直す――カントの誤診1』は哲学者 永井均が『純粋理性批判』に取り組むことで、独在論の観点から新たな息吹を『純粋理性批判』に吹き込みました。
 独在論という耳慣れない言葉は永井均の哲学のキーワードです。そのいわゆる「永井哲学」にも長い蓄積がありはするのですが、その理解に前提知識が必要かと言われるとそういうわけでもございません。子どもでも分かるようなことではあるのですが、それについて論じようとするとつかみどころのない話なのです。
 ですので、この本で初めて永井哲学に触れることになんの問題もありません。その永井哲学にとって『純粋理性批判』のある部分が大きな貢献をするということが『純粋理性批判』に新たな息吹が吹き込まれることの意味です。
 またそれ以外の『純粋理性批判』の部分に関しても、引用にコメントを加えて理解を深めてくれるようになっています。ときにはカントの間違いを指摘していて、『純粋理性批判』に書いてあることはすべて理解しなければならないという思い込みから解放してくれます。
 普通のルートとは違う入門の仕方ではありますが、著者の言葉を借りれば「この門から入ることこそが最も正統的」と言えるルートでもありますので、この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか?(み)
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■目次■
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼新刊案内(1月刊行)
▼近刊案内(2月刊行予定)
▼営業部だより

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☆ webマガジン「web春秋 はるとあき」☆ https://haruaki.shunjusha.co.jp/
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●好評連載●
○死にたがり読書録 吉田隼人
小説や哲学書などを縦横無尽に渉猟し、自らの生きづらさに読書を通じて向き合う。
【第2回】わからない――田中小実昌について → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8583

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★「じんぶん堂」好評連載中!★
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力を発信していくプロジェクト” 「じんぶん堂(powered by 好書好日)」では書籍紹介や読み物など、魅力的な内容をお届けしています。ぜひご覧ください。※毎週木曜日更新(月3回)

◇1月30日 公開◇
西田幾多郎の「場所の論理」と真言密教 → https://book.asahi.com/jinbun/article/15597943
西田幾多郎が真言宗智山派の大学で教鞭を執っていたことは知られておらず、真言密教学との関係はほとんど検討されてこなかった。『西田哲学の仏教と科学』(坂本慎一著、春秋社刊)は、この点から曼荼羅が「場所の論理」に影響を与えたことを初めて論じた画期的な著作である。その中から関係する一部を紹介。
書籍はこちらから → 『西田哲学の仏教と科学――「場所的論理の立場から、科学を考へ直す」』

◇1月9日 公開◇
「隷属への道」の亡霊は今も 前編 → https://book.asahi.com/jinbun/article/15551725
◇1月16日 公開◇
「隷属への道」の亡霊は今も 後編 → https://book.asahi.com/jinbun/article/15575855
いまさら「社会主義」?と訝る方もいるかもしれませんが、日本の経済政策は、生産手段の私有財産制度はあっても、社会主義国家の呈をなしているのではないか……。そう言を強くする本書の訳者、蔵研也氏に「隷属への道」に到らない道を探っていただきました。
書籍はこちらから → 『社会主義・経済計算・起業家精神』

◇12月26日 公開◇
中川智正に見るオウム真理教事件と解離性障害の複雑な関係 → https://book.asahi.com/jinbun/article/15551608
中川智正はなぜオウム真理教事件に関わっていったのか。中学時代の同級生である著者が600回を超える面談記録と裁判記録から明らかにした真実とは、突如襲ってきた解離性障害に抗う術もなく、麻原と同一化しあやつられていく中川氏の姿だった。
書籍はこちらから → 『オウム真理教事件と解離性障害――中川智正伝』

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★新刊案内(1月刊行)★  https://www.shunjusha.co.jp/search/new.html
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●『山岳信仰と修験道』
鈴木 正崇 著
四六判/440頁/4,400円
明治政府の神仏判然令で大きく崩壊した、山岳信仰の歴史と民俗をたどり、修験道の生成と展開を、民俗学・宗教学・歴史学・人類学等の広範な視点から考察した総合的研究書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393292068.html
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●『修験道大系――歴史・思想・儀礼』
宮家 準 著
四六判/304頁/3,300円
修験道の基本を一冊にまとめた最適の概説書。日本宗教史上からとらえた歴史編、他界観・人間観などをまとめた思想編、供養法・峰入修行などをまとめた儀礼編の3部構成。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393292075.html
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●『〈動物のいのち〉と哲学〈新装版〉』
コーラ・ダイアモンド、スタンリー・カヴェル、ジョン・マクダウェル、イアン・ハッキング、ケアリー・ウルフ 著 / 中川 雄一 訳
四六判/248頁/3,520円
人は動物をどう扱うべきか。米哲学会の巨匠カヴェルや、分析哲学の俊英マクダウェル、科学哲学者ハッキングらが動物と人間の倫理的関係をめぐって根源的思索を展開。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393324165.html
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●『『純粋理性批判』を立て直す――カントの誤診1』
永井 均 著
四六判/384頁/3,520円
カントの『純粋理性批判』を引用し、それにコメントしていく形でカントの画期的な素晴らしさを示しつつも、永井哲学の独在論からその議論の不適切さや難点を指摘する。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393324172.html
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●『[人智学のパースペクティヴ] [2]エジプトの神話と秘儀』
ルドルフ・シュタイナー 著 / 高橋 巖 訳 / 飯塚 立人 編
四六判/304頁/3,960円
シュタイナーはエジプト文化をどのように見ていたのか。現代という時代を知ることはエジプト時代を知ることにほかならない。古代と現代を往還するダイナミックな人智学的考察。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393325674.html
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●『〈生きる意味〉を求めて〈新装版〉』
ヴィクトール・E・フランクル 著 / 諸富 祥彦 監訳 / 上嶋 洋一、松岡 世利子 訳
四六判/224頁/2,530円
繁栄のさなかに拡がる虚無感は、何に由来しているのか。スポーツ、セックス、出会い、そして死といった現代的な課題を取り上げ、“生きる意味”という光の回復を訴える。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393365809.html
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●『日本遊歩録――旅の風景』
佐子 武 著
A5判/370頁/2,200円
日本各地を旅してきた著者が独特の人生観を背景に、自ら撮影した数々の写真とともに語る旅の醍醐味。とりわけ茨城や千葉など観光地とは思われぬ地方の意外な魅力が満載。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393495438.html
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●『セヴラック 追憶の変奏曲――全ピアノ作品とその創作思想』
深尾 由美子 著
A5判/360頁/3,850円
近代南フランスを代表する作曲家セヴラック。その創作思想を追い、全ピアノ作品を解説するとともに、独自の和声法への詳細な分析を加える。演奏と鑑賞のためのガイドブック。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393932353.html
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●『クラウディオ・アバド――静かな革命家』
ヴォルフガング・シュライバー 著 / 杉山 有紀子 訳
四六判/354頁/3,630円
カラヤン後のベルリンフィルの芸術監督として一時代を築いたアバド。現代音楽への取り組みや若手の積極的な育成など、その華々しいキャリアと、静かに燃える芸術の根源に迫る。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393936122.html
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●『今日から変わるピアノ――からだ、こころ、テクニック』
宇治田 かおる 著
A5判/176頁/2,420円
もっとラクに弾くには? 自分に合った自然な身体の使い方をわかりやすくアドバイス。ピアノを弾く身体のメカニズムと適切なテクニック、弾きごこちを科学するレッスン。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393936146.html


♪楽譜〈新版〉♪ 計1点

・『[新版]リスト ピアノ作品集[3]――練習曲集』
井口 基成 編集・校訂・運指 / 近藤 嘉宏 解説
菊倍判切付表紙/240頁/3,300円

超絶技巧練習曲集(全12曲) S.139
パガニーニによる大練習曲集(「ラ・カンパネラ」を含む全6曲) S.141
3つの演奏会用練習曲 S.144
2つの演奏会用練習曲(「森のささやき」を含む) S.145

新版に寄せて
解説
 フランツ・リストのピアノ音楽
 楽曲解説

〔楽譜212頁+解説26頁〕
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393918258.html


♪楽譜〈新装版〉♪ 計2点

・『シマノフスキ全集[3]〈新装版〉――《メトープ》 12の練習曲 《仮面劇》 ソナタ第3番』
森安 芳樹 編集・校訂・運指 / 田村 進 解説
菊倍判切付表紙/160頁/4,180円

《メトープ》Op.29
 第1曲「セイレーンの島」
 第2曲「カリュプソー」
 第3曲「ナウシカー」
12の練習曲 Op.33
《仮面劇〔マスク〕》Op.34
 第1曲「シェヘラザーデ」
 第2曲「道化のタントリス」
 第3曲「ドン・ファンのセレナーデ」
ソナタ第3番 Op.36


作品解説
出版譜とPWM版全集について
校訂報告
演奏ノート
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393918685.html

・『アルベニス集[2]〈新装版〉――《イベリア》第3巻 《イベリア》第4巻 《ナバラ》』
森安 芳樹 編集・校訂・運指 / 濱田 滋郎 解説
菊倍判切付表紙/152頁/4,180円

《イベリア》第3巻
 第1曲「エル・アルバイシン」
 第2曲「エル・ポロ」
 第3曲「ラバピエース」
《イベリア》第4巻
 第1曲「マラガ」
 第2曲「ヘレス」
 第3曲「エリターニャ」
《ナバラ》

序 アルベニスの生涯と芸術[濱田 滋郎]
作品解説[濱田 滋郎]
アルベニス ピアノ作品表
校訂報告[森安 芳樹]
演奏ノート[森安 芳樹]
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393918722.html

*今月の営業部イチオシ本*
●『責任と物語』
戸谷 洋志 著
四六判/224頁/2,200円
人はみな、人生という物語を生きている。物語的責任を引き受けることは、人格を通して過去を省察し、他者との許しと約束によって自己を陶冶することに通じる。
「個人が責任を引き受けるとは何か」について、伝統的責任論からの歴史的背景を踏まえた上で、物語論との関係性を綴った書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393334102.html

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★ 近刊案内(2月刊行予定) ★ https://www.shunjusha.co.jp/search/next.html
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●『[原始仏典IV] 小部経典 第二巻』
中村 元 監修・訳 / 前田 專學 監修 / 羽矢 辰夫 編集 / 矢島 道彦 編集 / 榎本 文雄 編集 / 藤本 晃 訳
A5判/496頁/10,450円
『パーリ語三蔵』の「経蔵」に所収の『小部経典(クッダカ・ニカーヤ)』の現代語訳。最古の経典「スッタニパータ」と天界への転生事例集「ヴィマーナヴァットゥ」を収録。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393113653.html
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●『詩吟女子――センター街の真ん中で名詩を吟ずる〈改訂版〉』
乙津 理風 著
四六変判/280頁/2,640円
詩吟の歴史から吟じ方のスタイル、詩吟と民謡の違い、そして古典の名詩の解説に至るまで、誰が読んでも徹底的に分かり易く紐とく、買ったその日から詩吟を始められる一冊!
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393436646.html
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●『実録 ブッダの瞑想法――死のレッスン』
地橋 秀雄 著
四六判/336頁/2,530円
マインドフルネスと慈悲の瞑想を駆使して苛酷な介護現場を最期まで愛情をもってやり抜く経緯が、仏教的視座から追体験できる、今までにない「死へのレッスン」。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393710876.html
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♪楽譜〈新装版〉♪
計1点

・メンデルスゾーン集[1]
井口 基成 編集・校訂
菊倍判切付表紙/152頁/2,420円
ソナタホ長調op.6/厳格な変奏曲ニ短調op.54/アンダンテと変奏曲変ホ長調op.82/カプリッチオ嬰ヘ短調op.5/ロンド・カプリチョーソホ長調op.14/3つの幻想曲または奇想曲op.16/前奏曲とフーガop.35‐1/こどものための小曲集(全6曲)op.72/3つの練習曲op.104b/アンダンテ・カンタービレとプレスト・アジタート

(※刊行時期は変更となる場合がございます。)

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□営業部だより□
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去る2月3日、2025年本屋大賞のノミネート作品10作が発表されました。全国488書店、652人の書店員による一次投票の結果えらばれた10冊は、朝井リョウ氏や一穂ミチ氏、恩田陸氏といった直木賞作家らの作品や、2024年本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』の続編など、そうそうたる並びです。「売り場からベストセラーをつくる!」をコンセプトに運営されている同賞は、候補作の展開用にサイト上でポスターやPOPといった拡材をダウンロードできるようにしており、各書店員の方々が店頭でのディスプレイに利用されています。今回も、候補作と拡材によって書店が彩られていることでしょう。
実は、本日2月7日が投票〆切の、読者参加型の賞があります。それが「みんなのつぶやき文学賞」です。「ジャンルは不問!誰でも投票できる文学賞」をうたっており、純文学・エンターテインメント作品を問わず募集しています。前回第4回は国内篇で津村記久子氏『水車小屋のネネ』が、海外篇でモアメド・ムブガル・サール氏『人類の深奥に秘められた記憶』が受賞、年々文学ファンに浸透している賞です。
本日23:59が投票〆切ということで、ギリギリですが小社の投票対象になる作品(いずれも“海外の初訳小説”)を以下に記します。
・ 花と夢( ツェリン・ヤンキー 著 / 星 泉 訳) https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393455104.html
・ 南光( 朱 和之 著 / 中村 加代子 訳) https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393455067.html
・ わたしたちが起こした嵐( ヴァネッサ・チャン 著 / 品川 亮 訳) https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393455050.html
・ 高雄港の娘( 陳 柔縉 著 / 田中 美帆 訳) https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393455098.html
それぞれ、読了されてなおかつ「おもしろかった!」という方は、ぜひ応募いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。 (E)
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■バックナンバー
【Vol.070】 2025年 1月 3日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8611
【Vol.069】 2024年 12月 6日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8564
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