メールマガジン 2018年 7月号
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春秋社 メールマガジン
2018年 7月号【Vol.002】
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◇2018年、春秋社は創業100年を迎えます◇
■目次■
▼巻頭エッセイ:物理の話 渡仲幸利
▼新刊案内(7月刊行)
▼近刊案内(8月刊行予定)
▼100周年フェア開催中!
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼書店イベント情報
▼編集後記
●巻頭エッセイ
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物理の話 渡仲幸利
第6回 ニュートンとねこ
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気難しくて人間嫌いだったニュートンが大のねこ好きだった話はよく知られている。
いまでこそ、ねこはペットだが、当時ねこは飼うものというより屋敷に自由に出はいりして地域に住みついている動物で、これに食べ物を与えてかわいがる習慣がなく、ニュートンのしていることをまわりは不思議がった。それでもニュートンのねこへの思いはびくともしなかった。研究室に来るねこに子ねこが生まれると壁にあけた親ねこ用の出入口の横に、もうひとつ、子ねこ用に小さな出入口をこしらえた。しゃれでもなんでもない。本人はいたってまじめだった。
生涯孤独だったニュートンは、日々、研究が進んだよろこびや難渋した苦しみをねこに向かって話しかけていたのであろうか。かえって、こころのないただ習慣と感情と理屈の機械仕掛けとなった人間を見ては、嫌悪感を隠さなかった、というのが、かれの人間嫌いの真相ではなかったか、とも考えられる。
すべてを力学で説明できると信じ込んでいるひとがいる。こころであろうと精巧な機械仕掛けから醸し出される燐光だといいたいのだろう。ニュートンはそんな思考の内幕をぺらぺら喋らなかったから、代わって、いっておかなければならない。そもそも、こころはあらゆる物の全体なのである。存在するとは宇宙にさらされることだから。こころになにも欠けたものはない。ただぼくたちがこれをしだいに明瞭にしていくのである。そして、それこそがニュートンの仕事だった。
(となか・ゆきとし◎哲学者。)
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☆新刊案内(7月刊行)☆
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●訳注 秘蔵宝鑰
松長有慶 著
四六判/3500円
【内容】世俗の段階からはじまり真言密教の段階に至るまでの十住心を説いた空海の代表的著作を、仏教用語から出典まで丁寧な解説を加え、わかりやすく読解した決定版。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-11346-2/
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●インド的思考〈新版〉
前田專學 著
四六判/2500円
【内容】インド亜大陸に根づき過酷な気象条件の下に暮らす人々が受け継いできた〈インド的〉な思考の根底にあるものをヒンドゥー教ほか正統派とされている思想に焦点を当てひもとく。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-13422-1/
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●真宗高田派聖典索引
真宗高田派聖典編纂委員会 編
A5判(函入り)/7000円
【内容】親鸞聖人の教えの全容と真宗念仏の真義を明かす、真宗高田派の聖教を収録した『真宗高田派聖典』の総索引。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-16145-6/
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●天河大辨財天社の宇宙 ――神道の未来へ
柿坂神酒之祐/鎌田東二 著
四六判/1900円
【内容】〈神道〉とはいったい何か。そして〈修験〉とは。神仏習合の一大拠点、謎の奈良吉野・天河大辨財天社をめぐって、〈神道の心〉と、これからの〈宗教〉の未来を展望する。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-29205-1/
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●労働者のための漫画の描き方教室
川崎昌平 著
四六判/1800円
【内容】過重労働から心を守るためには、漫画を描こう。懸命に働くすべての労働者に贈る、忙しい日常でも実践できる、生き抜くための方法論。働きながら、表現しよう。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-33363-1/
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●慈悲の瞑想 ――慈しみの心
バンテ・ヘーネポラ・グナラタナ 著 出村佳子 訳
四六判/2200円
【内容】自己と他者の幸せを祈る慈悲の瞑想。このあらゆる瞑想の基本を、マインドフルネスの大家が『慈経』に基づき、その方法とメリットを詳しくかつわかりやすく説き明かす。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-36549-6/
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●日本という不思議の国へ
赤坂憲雄 著
四六判/1900円
【内容】モラエスからアレックス・カーまで、日本と縁を結んだ7人の紀行・文芸作品に描かれた日本とは。失われた生活風景、文化を照射し、私たちの自画像の再考を迫る一冊。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-42459-9/
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●「それでもなお」の文学
川本三郎 著
四六判/2000円
【内容】寂寥と喪失を文学はどう描いてきたか。坂口安吾から中島京子、山川方夫まで、生のはかなさを描いた作家に注目した文芸評論。3・11後を生きる私たちに今最も必要な本。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-44422-1/
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●ベートーヴェン像 再構築
大崎滋生 著
A5判/3分冊合本/18000円
【内容】最新の基礎研究を縦横無尽に駆使し大作曲家の全体像を活写、従来のセイヤー伝を大きく塗り替える試み。世界に先駆けまったく新しいベートーヴェン像を構築する画期的労作。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-93211-7/
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●死せる菩提樹 ――シューベルト《冬の旅》と幻想
梅津時比古 著
四六判/2000円
【内容】詩と音楽の絶妙の融合、汲めども尽きぬ《冬の旅》の魅力。「24の象徴の森」に通底する《菩提樹》の謎に迫る。《冬の旅》全曲の作品空間を根源から照射する斬新な視点。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-93599-6/
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●音大生のキャリア戦略 ――音楽の世界でこれからを生き抜いてゆく君へ
ドーン・ベネット 編著 久保田慶一 編訳
A5判/2200円
【内容】音楽家が社会で受け入れられ、生き残るための道とは。世界中の若い音楽家と音楽教育現場が直面する問題をグローバルな視点から見つめる。若き音楽家のための生き方指南書。
http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-93796-9/
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★近刊案内(8月刊行予定)★
http://www.shunjusha.co.jp/coming.html
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『密教的世界と熊楠』環 栄賢 著
南方熊楠の菩提寺の住職にして在野の宗教研究者である著者が、熊楠・密教・バタイユ・ディオニューソスなどをテーマに、聖性と悟りの意味を問う刮目の論集。
『女たちの精神史 ――明治から昭和の時代』伊藤由希子 著
この国の女性たちは近代をどう生きてきたのか。阿久悠・向田邦子などの作品を題材に、たおやかに力強く今を生きる女性たちのありようを、生きいきと描く出色の論考。
『世界の独在論的存在構造 ――哲学探究2』永井 均 著
長い哲学の歴史の中で見逃され続けてきた、しかし根本的な問題を発見し探究し続ける哲学者・永井均の最新の思索。私・今・現実の不思議を新たにゼロから徹底的に考えぬく。
『「そのとき」までをどう生きるか』山崎章郎 著
わが国の終末期ケアを牽引し続ける著者が、来し方と行く末を見つめながら全ての人に開かれたホスピスケアの充実を訴える。最期まで自分らしく生きたい人へのメッセージ。
『指先から身体を整える ――機能回復のための所有感覚メソッド』中村考宏 著
筋力も体力も関係ない。「末端」の感覚を高めれば身体は甦る。身体各部の骨格ポジションを整え、全身がつながりを取り戻すことで回復力の高い身体を手に入れる方法。
(※刊行時期は変更となる場合がございます。)
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☆100周年フェア開催中!☆
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春秋社の常備書店を中心に、創業100周年記念ブックフェアを開催いたしております。ぜひとも、お近くの開催書店へお出かけください。
開催書店は時期・期間・規模などがそれぞれ異なりますので、詳しくは小社または開催書店へお問い合わせください。
https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/752
◆現在開催中
三省堂書店神保町本店
増田書店(国立市)
ジュンク堂書店三宮店(人文書)
紀伊國屋書店広島店
ジュンク堂書店広島駅前店
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★webマガジン「web春秋 はるとあき」★
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2018年6月より小社のwebマガジン「Web春秋」が「web春秋 はるとあき」として、装い新たに生まれ変わりました!『春秋』で好評いただいていた連載陣(※)を加え、充実の内容をお届けします。
https://haruaki.shunjusha.co.jp
★好評連載中★
「ソウセキ・コード」古山和男
「書庫冒険譚」川崎昌平
「やさしい気持ち」今井田博
「菌は語る――ミクロの開拓者たちの生きざまと知性」星野保
「極楽の原風景」若麻績敏隆(※)
「チョンキンマンションのボスは知っている――香港のアングラ経済と日本の未来」小川さやか
「希望のディアスポラ――移民・難民をめぐる政治史」早尾貴紀
「GEIJUTSU論――藝術2.0をさぐる思考の旅」熊倉敬聡
「空海とソーシャルデザイン」兼松佳宏
「いのちと医療」稲葉俊郎
「〈性〉なる家族」信田さよ子(※)
「精進料理のこころ」吉村昇洋(※)
「記憶する体」伊藤亜紗
「大正・昭和前期の宗教と社会」島薗進(※)
「イザベラ・バードの見た日本」赤坂憲雄
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★書店イベント情報★
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川崎昌平著『労働者のための漫画の描き方教室』(http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-33363-1/)の刊行を記念したイベントの開催が決定いたしました。詳細は以下の通り。
●ブックファースト新宿店 刊行記念トークショー&サイン会 http://www.book1st.net/event_fair/event/page1.html#a_1306
【日時】8月31日(金) 19時開始 ※開場18時45分
【会場】ブックファースト新宿店・Fゾーンイベントスペース
【定員】先着45名様
【参加条件】ブックファースト新宿店・地下1階Aゾーンレジカウンターにてイベント対象書籍『労働者のための漫画の描き方教室』をお買い求めください。イベント参加ご希望のお客様に整理券配布。電話でのご予約はTEL 03-5339-7611にて受付中。※電話ご予約以外の整理券のお取り置きは承れません。
※整理券をお持ちでない方の入場はできません。当日は、必ず、整理券をお持ちください。
※トークショー終了後のサイン会では、サインはお1人様1冊とさせていただきます。サインご希望の方は当日サイン対象本『労働者のための漫画の描き方教室』をお持ちください。
●文禄堂高円寺店 刊行記念トークショー&サイン会
【日時】9月21日(金) 19時30分開始 ※受付は19時開始。トークショー終了後、文禄堂高円寺店にて『労働者のための漫画の描き方教室』をお買い上げの方を対象にサイン会を開催予定。
【会場】文禄堂高円寺店イベントスペース
【参加料】1000円+ワンドリンクオーダー制 ※当日受付精算となります。
【お申込み】Peatix(https://peatix.com/event/411777)、もしくは店頭、TEL 03-5373-3371にてお申込み受付中。
※定員に達し次第受付終了となります。
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□編集後記□
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このたびの大阪北部地震、ならびに西日本豪雨により被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。ともに在りし日のヒロシマを主な舞台としたこうの史代氏原作の『この世界の片隅に』『夕凪の街 桜の国』の映像化がこの夏つづいていますが、両作品は、尊い平和について考えさせられるだけでなく、今日に至るまでの復興の道程についてもあらためて思いを巡らせるきっかけを与えてくれます。
6月に小社より刊行した『私は貝になりたい――あるBC級戦犯の叫び〈普及版〉』も、昭和史の貴重な記録として読み継がれています。73年の時を経てなお、「先の戦争」と表現することができる国であるという事実を、今こそ真摯に受けとめ、未来に繋いでゆくべき時なのではないでしょうか。(A)
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□春秋社 メールマガジン□ 毎月25日ごろ配信
発行:株式会社 春秋社
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