メールマガジン Vol.061
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春秋社 メールマガジン【Vol.061】
2024年 4月 5日配信
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巻頭言
2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震の被災者の方々へ心よりお見舞い申し上げます。
先月3月に指揮者 マルク・ミンコフスキ氏が来日されました。15日に石川県立音楽堂、18日にサントリーホールにて、オーケストラ・アンサンブル金沢の定期公演があり、ミンコフスキ氏の自伝『マルク・ミンコフスキ――ある指揮者の告解』の先行発売をいたしました。16日に北陸新幹線の金沢-敦賀間開業を控えていたこともあり、15日の金沢市は前日から大盛り上がり。書籍宣伝用のXアカウントでは、当日の様子が以下のようにレポートされています。
「能登半島地震の犠牲者のために」とバッハのアリアが献奏された後ベートーヴェン9番は疾風怒涛、瞑想、そして友愛と平和への希求に満ちた弩級の演奏でした。ミンコフスキも「自身のベストの第九だ」と大満足!サイン会には多くの方々にお並びいただきました。」(2024年3月16日1時13分)
「天才とは厄介なこともあるが、天才とは天才なのだ」と編者 アントワーヌ・ブレ氏が本の中で語っているように、ミンコフスキ氏はその恵まれた才能とチャーミングな人柄によって、多くのひとを「巻き込みつつ」虜にします。しかしその人生はつねに順風満帆だったというわけではなく、ときには大きな挫折も味わい、そして多くの関係者を悩ませてきました。それでも最後には、誰もが音楽によって笑顔になる――まさに「ミンコフスキ・マジック」が起きるのです。
そうしたミンコフスキ氏の波瀾万丈な生き様や音楽哲学が、自伝の中で赤裸々に描かれています。ぜひみなさまも本を手に取って、ミンコフスキ氏の魅力にふれてみてはいかがでしょうか。
※著者・編者・訳者の初版印税ならびに、本書売り上げの一部が令和6年能登半島地震の復興支援のため寄付されます。(P)
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■目次■
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼重版情報
▼新刊案内(3月刊行)
▼近刊案内(4月刊行予定)
▼イベント情報
▼編集後記
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☆ webマガジン「web春秋 はるとあき」☆
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●好評連載●
○「フォルモサ南方奇譚――南台湾の歴史・文化・文学」 倉本 知明
南台湾各地を舞台に、歴史や伝承を辿りながら知られざる台湾の姿を描き出すエッセイ。
【第12回】ワタシハダレ? 台湾出兵と忘れられた拉致事件
○「カントの誤診」 永井 均
近代哲学を確立したカント『純粋理性批判』を徹底的に読解し、批判することで、近代哲学を解体し、独在論哲学を賞揚する試み。
【第5回】
○「スヴニール とりどりの肖像」 佐々木 健一
【第36回】二宮敬先生――強靭なるはにかみ
【第37回】父と母(1)――学者のような職人と超絶社交家
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★「じんぶん堂」好評連載中!★
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力を発信していくプロジェクト” 「じんぶん堂(powered by 好書好日)」では書籍紹介や読み物など、魅力的な内容をお届けしています。ぜひご覧ください。※毎週木曜日更新(月3回)
◇3月7日 公開◇
仕事をサボったドライブで見つけたこと――『幸福をめぐる哲学者たちの大冒険! 15の試論』上
◇3月14日 公開◇
それぞれの幸せのなりかた――『幸福をめぐる哲学者たちの大冒険! 15の試論』下
書籍はこちらから → 『幸福をめぐる哲学者たちの大冒険! 15の試論』
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☆ 重版情報 ☆
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『[新版]質的研究入門――〈人間の科学〉のための方法論』
ウヴェ・フリック 著 / 小田 博志 監訳
A5判/688頁/4,950円
画期的入門書として多くの読者に支持されてきた『質的研究入門』刊行から9年、全面改訂の新版。旧版の改良に加え、新たな11章を増補。急速な発展を続ける「質的研究」の最新動向を詳細に盛り込んだ待望の1冊。(2002年初版)【新版13刷】
『どこでもないところからの眺め』
トマス・ネーゲル 著 / 中村 昇 他訳
四六判/456頁/4,400円
有限の存在である自己を超越し、〈どこでもない〉視座を手に入れようとする飽くなき欲求と、どうしても消し去りえぬ自らの固有性。両者の葛藤が産みだす、心、知識、自由、価値、規範、倫理、生死といった哲学の根本問題に、分析哲学の緻密な議論を武器として敢然と挑む現代の賢人ネーゲルの探究が、思考に翻弄される人間の運命と哲学の真のありようを鮮やかに描きだす。【5刷】
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★ 新刊案内(3月刊行)★
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●[新・興福寺仏教文化講座10] 『般若心経幽賛』を読む――唯識の修行
吉村 誠 著
四六判/352頁/2,970円
法相宗の慈恩大師による『般若心経』の注釈書の解説。空思想を代表する経典を瑜伽行派の非空非有中道から修行の重要性を強調。〈新・興福寺仏教文化講座10〉
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393136485.html
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●浄土の歩き方――行きたいと思ったときに来てくれるのが阿弥陀の国!
英月 著
四六判/288頁/2,420円
旅する感覚で学ぶ『阿弥陀経』入門。浄土名物ハックドクスイの味と共に学ぶ、お釈迦さまが祇園精舎でみずから説いた教えとは? 日常をしずかに照らす極楽浄土への旅案内。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393162149.html
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●密教の〈こころ〉
中村 公昭 著
四六判/224頁/1,980円
溌溂と嬉しく今を生きるために弘法大師空海の教えと深くつながる「自身即仏」の自覚と、調和を愛し思いやりに満ちた密教のこころを、一年を通して切々と語る仏教エッセイ。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393172964.html
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●[東西宗教思想家たちのシュンポシオン]親鸞――『歎異抄』を手がかりとして
伊東 益 著 / 長町 裕司 監修 / 長町 裕司、北條 勝貴 編
四六判/336頁/3,960円
絶対他力や悪人正機といった親鸞思想の核心をアウグスティヌスやパウロとも比較しつつ明らかにし、その思想が果たして仏教といえるのか、ブッダの思想まで遡って探究する。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393302019.html
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●[シュタイナー社会論入門] [1]『社会の未来』を読む
高橋 巖 著
四六判/328頁/3,960円
独創的な「社会有機体三分節化」思想の射程。現代ベーシック・インカム論の思想的根拠を展開する講義録『社会の未来』を今日的視点から読み解く。新しい豊かな社会への道。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393325643.html
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●ソマティック・エクスペリエンシング入門――トラウマを癒す内なる力を呼び覚ます
ピーター・A・ラヴィーン、 アン・フレデリック 著 / 花丘 ちぐさ 訳
四六判/360頁/2,970円
身体感覚からトラウマを癒す画期的療法「ソマティック・エクスペリエンシング(SE)」。メソッドの理論および具体的エクササイズを紹介した実践的基本書。(※『心と身体をつなぐトラウマ・セラピー』新訳版)
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393365724.html
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●マルク・ミンコフスキ――ある指揮者の告解
マルク・ミンコフスキ 著 / アントワーヌ・ブレ 編 / 岡本 和子 訳 / 森 浩一 日本版監修
四六判/336頁/3,300円
日本でもファンの多い指揮者の生い立ちから、音楽家としての歩みについて、成功や失敗も含めて赤裸々に語る。特別インタビューやディスコグラフィなども充実。[口絵16]
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393936115.html
*今月の営業部イチオシ本*
●VTuberの哲学
山野 弘樹 著
四六判/306頁/2,640円
VTuberを対象とした初の哲学書が誕生!
VTuberは中の人にも虚構のキャラクターにも還元されないという「非還元主義」に立ち、VTuber独自の存在様態を理論化しつつ、その魅力を実際の活動の例を多数挙げながら分析する。
♪たちまち重版決定♪
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393334058.html
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☆ 近刊案内(4月刊行予定)☆
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『[シュタイナー社会論入門] [2]『社会問題の核心』を読む』
高橋 巖 著
四六判/304頁/3,960円
経済原則が「精神」と「法」の生活領域を侵してはならない…。現代人の生活要求に応える新たな社会関係を志向する試み。自由な精神生活を志向するシュタイナー人智学の精華。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393325650.html
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『英国人尼僧、ティク・ナット・ハンと歩む――真実の徳を求めて』
シスター・アナベル・レイティ 著 / 池田 久代 訳
四六判/408頁/2,970円
農場生まれの少女がロンドン大学を出、満たされぬ思いを抱えて世界を放浪中に仏教に魅せられ、禅僧ティク・ナット・ハンと出会って、ついに自分の道を見いだした魂の軌跡。
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『感情のレスキュープラン――心のパワーに目覚める』
ゾクチェン・ポンロプ・リンポチェ 著 / 三浦 順子 訳
四六判/288頁/2,970円
「隙間を意識する」「明晰に観る」「手放す」という三つのステップで怒り等の感情に対処。ネガティブ思考を簡単に解決できるチベット版マインドフルネスを紹介。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393365663.html
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『[アジア文芸ライブラリー]花と夢』
ツェリン・ヤンキー 著 / 星 泉 訳
四六判/308頁/2,640円
ラサのナイトクラブで働きながら身を寄せ合って生きる四人の女性たちのしたたかな生き方と悲痛な運命を、慈悲に満ちた筆致で描く。チベット発、シスターフッドの物語。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393455104.html
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『ヨーガ・セラピー〈再増補版〉』
S. クヴァラヤーナンダ、S.L. ヴィネーカル 著 / 平野 久仁子 訳
四六判/256頁/2,420円
「哲学的理論に裏付けられた合理的な方法論の体系」としてヨーガ・セラピーの呼吸法、身体浄化法等の理論と実践から禁忌まで、さらには医療への応用法をわかりやすく解説。
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『映画館に鳴り響いた音――戦前東京の映画館と音文化の近代』
柴田 康太郎 著
A5判/776頁/8,800円
戦前の東京の事例を手がかりに、サイレント時代からトーキー初期の日本の映画館に鳴り響いた音をさぐる。休憩奏楽や和洋合奏など、弁士や伴奏音楽にとどまらない豊穣な音の文化史。
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『豊子ガイ*の東西芸術比較論――中国近代美学の誕生』 *ガイはりっしんべんに豈
劉 佳 著
四六判/168頁/4,620円
大正期の日本における比較芸術論から西洋の抽象芸術論を中国画論へと接続し、中国古来の「気韻生動」概念を再解釈した豊子ガイの美学。
(※刊行時期は変更となる場合がございます。)
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★ イベント情報 ★
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◇『教会音楽・古楽~そしてバッハ』トーク・イベント◇
『教会暦で楽しむバッハの教会カンタータ』(春秋社) 『古楽夜話 古楽を楽しむための60のエピソード』(音楽之友社刊)著者の 那須田務先生が、両書にまつわる古楽・教会音楽の興味深いエピソードなどを紹介!
*4月6日(土)14:00~15:30
*教文館3Fキリスト教書コーナー ギャラリーステラ
*定員25名(事前申込制)
*入場料1,000円(イベント当日受付で現金払い)
※イベントの詳細・お申し込みは こちら
https://kogaku-bach-2024.peatix.com
◇『感情のレスキュープラン――心のパワーに目覚める』刊行記念
ゾクチェン・ポンロプ・リンポチェ来日イベント◇
(1)講演会(東京大学)
「仏教瞑想の本質をたどる――現代社会の応用」
第一部:対談( 蓑輪顕量先生)第二部:基調講演
日時:2024年4月27日(土)
時間:15時~17時(14時30分開場)
場所:法文2号館1階3番大教室(東京大学本郷キャンパス、定員300名)
聴講自由・予約不要
写真:蓑輪顕量先生(東京大学教授)
(2)ゾクチェン・ポンロプ・リンポチェ× 藤田一照対談
第一部:「現代に生きる人のための古いにしえの智慧――禅とチベット密教の教えと実践から」
日時:2024年4月29日(月)
時間:15時~17時(14時30分開場)
場所:朝日新聞東京本社読者ホール(定員150名)
東京都中央区築地5-3-2 朝日新聞本社2階
参加費:3300円(税込)・要予約
写真:藤田一照先生
第二部:懇談会
時間;17時30分~19時30分
場所:レストランアラスカ(電話:03-3545-6201)
東京都中央区築地5-3-2朝日新聞ビル2階
会費:6600円(税込)
先着50名・要予約
(3)講演会(学士会館)
講演名:「感情のレスキューから自じ然ねんな解放へ――心のパワーに目覚めるゾクチェンの教え」
日時:2024年5月1日(水)
時間:15時30分~17時30分(15時開場)
場所:学士会館302号室(定員50名)
東京都千代田区神田錦町3-28
参加費:4400円(税込)・要予約
第二部:懇談会
時間:18時~20時
場所:学士会館301号室
会費:9680円(税込、先着30名)・要予約
お問い合わせ:株式会社春秋社 営業部
〒101-0021 東京都千代田区外神田2丁目18番6号
電話:03-3255-9611(代表)
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□編集後記□
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小社ではこの度、「文学を通じてアジアのこれからを考える」新たなシリーズ〈アジア文芸ライブラリー〉の刊行を開始いたします。アジアの歴史・文化・社会をテーマとして文学的にすぐれた作品の邦訳を続々刊行してまいります。
1冊目は2024年4月刊行『花と夢』(ツェリン・ヤンキー 著、 星泉 訳)です。花の名を源氏名として生きる四人の女性たちがチベット・ラサのナイトクラブで働きながら場末のアパートで身を寄せ合って暮らす共同生活と、やがて訪れる悲痛な運命・・・・・・。本書の英語版 Flowers of Lhasa (2022)は、英国PEN翻訳賞を受賞しました。著者ツェリン・ヤンキーは、チベット人女性作家がチベット語で発表した作品として初の長編小説である本書を通して、家父長制やミソジニー、搾取、農村の困窮などの犠牲となり、傷を抱えながら生きるチベットの女性たちの姿を慈愛に満ちた筆致で描き出しています。また、邦訳を担当した星泉氏は東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所でチベット語研究に従事するかたわら、チベット文学の紹介・翻訳も手がけています。チベット人女性作家の長編小説が日本語で翻訳刊行されるのも、『花と夢』が初めてです。
国どうし、また人間どうしの「分断」が世界の各所で見受けられる現代に、アジア各地でそれぞれに培われてきた優れた文学作品――しかし、日本ではあまり広く知られていない作品――の翻訳刊行を通して、読者の方々がアジアと日本との文学的、歴史的なつながりを見いだす一助となれますよう願ってやみません。今後の〈アジア文芸ライブラリー〉の歩みをあたたかいまなざしで見守っていただけますと幸いです。 (E)
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【Vol.059】 2024年 2月 1日 配信
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