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メールマガジン Vol.081

※HTML版はこちらをご覧ください。
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 春秋社 メールマガジン【Vol.080】
   2025年 12月 5日配信
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巻頭言
 みなさん、道徳について考えていますか? 人間たるものできれば道徳的に生きたいものです。しかし、道徳的に生きるとは具体的にどう生きることなのでしょう? 
 そもそも有史以来道徳が実現されたことなど一度もないかもしれないという厳しい見方が存在します。その見方に立っているのはイマヌエル・カントの『道徳形而上学の基礎づけ』です。私たちがなんとなく道徳的に感じる人助けは道徳的行為ではないのでしょうか? 
 『道徳形而上学の基礎づけ』によれば、道徳的行為であるためには道徳法則のためだけにその行為が為されていなければいけません。人を助けて評判が良くなったり見返りを貰ったりするためにしてはいけないのです。
 道徳的かどうかは心持ちだけから判定されるので、実際にその行為で誰かが助かったとかよい結果が生まれたとかはまったく考慮されません。その人に好感を抱いているから助けてあげたいとかそういうことは許されず、ただただ道徳法則に従って助けたという場合のみ道徳的なのです。これは確かに歴史上一度も為されたことがなくてもおかしくありません。
 なぜそれほどまでに動機を重視するのでしょう? その思想は難解かつ一般的な考え方から離れながらも道徳についての考え方に消えない痕跡を刻みました。
 その不朽の名著に哲学者・永井均が挑むのが『『道徳形而上学の基礎づけ』を解体する――カントの誤診2』です。
 永井先生は、「純粋に道徳法則のみに基づかなければ道徳ではない」とする理由に関して、それは道徳とは何かということを探究するうえで必要になったわけではないとしています。
 なぜそういった条件になったかと言えば、自分と他人の違いをまったく無化して、理性的存在者が並んでいる世界、つまるところあなたも私も同じように存在している普通の世界を成立させようとしたからなのです。
 逆にいえばこうした難解な道徳哲学を介さなければ、あなたも私も同じように存在している普通の世界は存在していないのです。私の異様さがそのままになってしまうのです。

 この私の異様さを考え抜いてきた永井均先生のファンである禅僧のネルケ無方さんが永井先生の思想的影響を多大に受けながら執筆した『人生というクソゲーを変えるための哲学と坐禅』があります。この本を中心としたイベント「仏教と哲学のあいだで考えたこと」が12月19日(金)に朝日新聞東京本社読者ホールで行われます。詳細はこちら
  『『道徳形而上学の基礎づけ』を解体する――カントの誤診2』が先行販売される予定ですので、この機会をお見逃しなく!(み)
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■目次■
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼新刊案内(11月刊行)
▼近刊案内(12月刊行予定)
▼重版情報
▼営業部だより
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☆ webマガジン「web春秋 はるとあき」☆ https://haruaki.shunjusha.co.jp/
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●好評連載●
○翻訳家、マインドフルネスを語る  穂積 由利子 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1143
2025年2月から3月にかけてギャラリー平左衛門(千葉県流山市)で開催されたトークイベント「翻訳者が語るマインドフルネス」のレポートです(全4回)。
第3回 思いやりの心を作るマインドフルネス → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9193
○軽刈田凡平の新しいインド音楽の世界 軽刈田凡平 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1119
いま世界でもっとも面白い音楽シーンをめぐる連載。案内人は新進気鋭のインド音楽ライター、軽刈田凡平(かるかった・ぼんべい)
【第8回】路地裏から巨大コンサートまで--新しい音楽を探してムンバイを歩く(前編) → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9282
○宇宙時代と大乗仏教  田中 公明 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1149
お互い符合することも多い、天文学・物理学の知見と大乗仏教の思想。両者を比較することで見えてくる不思議な世界。
第3回 地球外知的生命体との交信は可能か?―『大般若経』に見る多仏世界― → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9274
第4回 仏教の因果観―仏教は因果律絶対主義である― → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9275

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★「じんぶん堂」好評連載中!★
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力を発信していくプロジェクト” 「じんぶん堂(powered by 好書好日)」では書籍紹介や読み物など、魅力的な内容をお届けしています。ぜひご覧ください。※木曜日更新(月3回)

◇11月6日 公開◇
「才能」という言葉の危うさ――『ギフティッドネス』の主張(前編) → https://book.asahi.com/jinbun/article/16110568
◇11月13日 公開◇
苦味を直視し命を守る――『ギフティッドネス』の主張(後編) → https://book.asahi.com/jinbun/article/16128279
『ギフティッドネス――理解と支援のための基礎・基本』において、ギフティッドという存在をめぐる誤解や偏見、そして社会が覆い隠そうとしてきた領域に深く切り込んだ、著訳者双方の情熱と深い思いが交錯する寄稿。
書籍はこちらから → 『ギフティッドネス――理解と支援のための基礎・基本』

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★新刊案内(11月刊行)★  https://www.shunjusha.co.jp/search/new.html
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●『「憲法十七条」を読みなおす』
石井 公成 著
四六判/256頁/2,750円
今まで見過ごされてきた日本風表現の変格語法、仏教経論の典拠、『日本書紀』との関係に注目して、聖徳太子の作成した「憲法十七条」の正しい読み方を明らかにする画期的書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10149664.html
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●『神秘劇』
ルドルフ・シュタイナー 著 / 高橋 巖 訳 / 飯塚 立人 編
四六判/752頁/8,580円
シュタイナー思想のエッセンスが集約された壮大な霊学ドラマ。人類の精神的発展を「生きた現実の体験」として描きつつ、輪廻転生とカルマの法則の秘儀的展開を克明に綴る。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10149663.html
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●『性格のタイプ――自己発見のためのエニアグラム〈新装版〉』
ドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソン 著 / 橋村 令助 訳
四六判/672頁/8,250円
自分を知るための地図――体系的エニアグラム論。人間を心の奥底からつき動かしている9つの性格タイプをあらゆる角度から解明した人間理解と自己超越のための基本図書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10149670.html
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●『意味への意志〈新装版〉』
ヴィクトール・E・フランクル 著 / 山田 邦男 監訳
四六判/240頁/2,750円
身体にも心理にも還元されえない“人間精神”の本質を論じた「意味への意志」「時間と責任」「ロゴスと実存」「科学の多元論と人間の統一性」の4つの重要論文を収録。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10152252.html
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●『弁天さまの贈りもの――小田まゆみ自伝』
小田 まゆみ 著 / 黒田 和子 訳
A5判/210頁/2,970円
ハワイを拠点に活躍する画家の自伝。うつくしい女神像のタンカ作品26点も収録。戦時下の幼少期を経て、アーティストとして平和活動にも身を投じた、その創造的半生とは。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10149675.html

*今月の営業部イチオシ本*
●『痛みからの解放――トラウマによる慢性痛を癒す内なる力との出会い』
ピーター・A・ラヴィーン、 マギー・フィリップス 著 / 花丘 ちぐさ 監訳、 志村 秀実 訳
四六判/288頁/3,080円

痛みの罠を脱するとき――心身は再び「ひとつ」になる。
ストレス・トラウマ由来の終わらない痛みに。身体を癒しのプロセスの中心に据え、未解決の過去に働きかけることで、真の回復力を取り戻し、永続的な解放へと導く多次元的アプローチ。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10149668.html

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★近刊案内(12月刊行予定)★  https://www.shunjusha.co.jp/search/next.html
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●『むもん関講話〈新版〉』
山田 無文 著
四六判/380頁/3,850円
禅の古典『無門関』48則の一則一則から、無文老師独特の喝声がほとばしる。わかりやすく、初心者でも会得できる公案入門が待望の復刊!
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●『『正法眼蔵』「礼拝得髄」提唱』
青山 俊董 著
四六判/204頁/2,200円
生まれではなく行いを見よというお釈迦様の教えを受けて、道元禅師が当時の仏教界の男女差別を徹底批判した「礼拝得髄」の巻を、尼僧として生きてきた著者が語る渾身の書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10153239.html
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●『中村久子とお念仏――久子の二河白道に学ぶ』
三島 多聞 著
四六判/304頁/2,750円
病気で四肢を失った中村久子が、念仏に出会い「戦う道」(自我重視の南北磁力思想)から「越える道」(平等他力の東西磁力思想)にかわるまでを二河白道から説き明かす。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10153045.html
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●『『道徳形而上学の基礎づけ』を解体する――カントの誤診2』
永井 均 著
四六判/288頁/3,080円
道徳的な善さを他の諸々のよさとは隔絶したものとして扱う、論じるに値する唯一の道徳哲学書を解読しつつ、道徳の社会的不可欠性とその本質的な欠陥とを抉り出す。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10153780.html
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●『現代人は何を信ずべきか――「技術環境」時代と信仰〈新版〉』
ジャック・エリュール 著 / 伊藤 晃 訳
四六判/344頁/4,180円
「技術」に支配される社会にわれわれはいかに対応すべきか? 神学と社会学の双方を追究した20世紀の大思想家が綴る、技術社会を生きるすべての現代人へ向けた証言。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10153042.html
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●『実存的無意識――フランクル・西田・大拙における無意識の比較研究』
山田 邦男 著
四六判/320頁/3,520円
〈生きる意味〉とは何か? フランクルの独創的思想である「精神的無意識」と鈴木大拙の「宇宙的無意識」の共通性から、われわれが生きることの根底に働く無意識を探る試み。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10153065.html
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●『意味による癒し――ロゴセラピー入門〈新装版〉』
ヴィクトール・E・フランクル 著 / 山田 邦男 監訳
四六判/240頁/2,640円
「人生の意味」に着目しフロイトの性欲論やアドラーの権力論を超えた独自の心理療法「ロゴセラピー」を創始したフランクル。その思想・技法を本格的に展開した日本初の本。
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♪楽譜〈新版〉♪ 計1点

●『[新版]リスト ピアノ作品集[5]――ピアノ独奏用編曲作品集』
井口 基成 編集・校訂・運指 / 近藤 嘉宏 解説
菊倍判切付表紙/200頁/3,080円
オルガンのための前奏曲とフーガ イ短調(J. S. バッハ) S.462/1
オルガンのための幻想曲とフーガ ト短調(J. S. バッハ) S.463
バッハの動機による変奏曲(カンタータ「涙し、嘆き、憂い」の通奏低音による) S.180
BACHの主題による幻想曲とフーガ S.529/2
ウィーンの夜会(シューベルトの主題によるヴァルス・カプリス)第6~9番 S.427/6-9
歌曲編曲集
シューベルト:魔王/シェイクスピアのセレナーデ「聴け聴け、ひばり」/アヴェ・マリア/菩提樹
シューマン:愛の歌(献呈)/春の夜
ショパン:乙女の願い/私のいとしい人
メンデルスゾーン:歌の翼に
アリャビエフ:ナイチンゲール(夜鳴きうぐいす) S.250/1
ヴェネツィアの舟こぎ競争(ロッシーニ「音楽の夜会」第2曲) S.424/2

♪楽譜〈新装版〉♪ 計3点

●『シマノフスキ全集[1]――変奏曲/4つの練習曲 他〈新装版〉』
森安 芳樹 編集・校訂・運指 / 田村 進 解説
菊倍判切付表紙/106頁/3,850円
9つの前奏曲op.1/変奏曲op.3/4つの練習曲op.4/ソナタ第1番op.8

●『ラヴェル全集[1]――水のたわむれ/ソナチネ/鏡 他〈新装版〉』
森安 芳樹 編集・校訂・運指 / 寺西 基之 解説
菊倍判切付表紙/136頁/3,630円
グロテスクなセレナード
古風なメヌエット
死せる王女のためのパヴァーヌ 水のたわむれ
ソナチネ

 1)蛾
 2)悲しい鳥たち
 3)洋上の小舟
 4)道化師の朝の歌
 5)鐘の谷

●『現代日本ピアノ曲集〈新装版〉』
溝上 日出夫、田中 利光 編
菊倍判切付表紙/144頁/2,750円
現代日本の作曲家18人のオリジナル作品集
溝上日出夫:子守歌/佐伯武:プレスト/石田純雄:2つの小曲/小山清茂:雁雁わたれ変奏曲/加藤直:舞踏曲「かもとりごんべえ」/中原健二:舞曲/斎藤高順:3つの宝石/中村太郎:パサカリアニ短調/水谷一郎:変奏曲/高原宏文:バガテル/三木稔:3つのフェスタル・バラード/名取吾朗:断章/有馬礼子:失われたものへの3章/奥村一:トッカータ「工事現場」/中島良史:トッカータ/湯山昭:マシーナリィ・エイジ/中村佐和子:日射しのなかで/花村光浩:プレリュード「水底にゆらぐ影」

(※刊行時期は変更となる場合がございます。)

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☆重版情報☆ https://www.shunjusha.co.jp/news/nc3760.html
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●『サティとドビュッシー――先駆者はどちらか』
青柳 いづみこ 著
四六判/2025年7月刊/定価3,300円【2刷】
フランス音楽史上、最も影響力をもち最も異彩を放つ〈奇才〉作曲家と〈天才〉作曲家の頂上決戦!
ローマ大賞、独立芸術書房、万博とワグネリズム、『ペレアスとメリザンド』、ラヴェル、コクトーと『パラード』……あらゆるトピックから燦然と輝くフランス近代音楽史を旅する。
〈付〉対談「クセナキス弾いて、武満弾いて、サティを弾く……」(高橋悠治/青柳いづみこ)
https://www.shunjusha.co.jp/book/b663901.html

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□営業部だより□
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本日12月5日は、ポーランドのピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン(1911-2000)の誕生日です。長年にわたってコンサート・ピアニスト、作曲家として活躍した彼の体験記を基に映像化した、映画『戦場のピアニスト』は言わずと知れた名作ですが、その原作本である『戦場のピアニスト』を小社では刊行しております。
ウクライナ侵攻やパレスチナ問題が未だ解決しない中、ナチスドイツの侵攻下でユダヤ人としてゲットーに移住させられたシュピルマンの体験記は、われわれ日本の読者により響くものとなっていることでしょう。
ぜひ、この機会にご一読ください。(E)
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□春秋社 メールマガジン□ 毎月1回(第1金曜日)配信
発行:株式会社 春秋社
〒101-0021 東京都千代田区外神田2-18-6
ホームページ: https://www.shunjusha.co.jp/
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(TEL:03-3255-9611 FAX:03-3253-1384)
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■バックナンバー
【Vol.080】 2025年 11月 7日 配信
【Vol.079】 2025年 10月 3日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9205
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・小社ウェブサイトほかにて12月3日までにメールアドレスをご登録いただいた方
・12月3日までに小社に届いた愛読者カードにメールアドレスをご記入いただいた方
・小社ウェブサイトにて書籍をお買い上げいただき、メールアドレスをご記入いただいた方

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