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メールマガジン Vol.064

※HTML版はこちらをご覧ください。

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 春秋社 メールマガジン【Vol.064】
   2024年 7月 5日配信
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 巻頭言

 今月末、ついにパリオリンピックが開催されます。
 3年前に本邦で開催された東京オリンピックの開会式では、無観客の国立競技場に「ドラゴンクエスト」ほかのゲーム音楽が鳴り響きました。一方、翌年2022年の北京冬季オリンピックの開会式ではベートーヴェンやチャイコフスキーなど、いわゆる「クラシック」の音楽が演奏されていました。開催国の「大河ドラマ」ともいうべき演出がなされる開会式で、どのような音楽が、どのように奏でられるべきなのか。これは運営側がつよく意識している課題だと考えられます。
 なかでも注目を浴びる音楽が「国歌」です。国歌は開会式だけでなく、メダル授与式でも演奏されます。今年のオリンピック開催国であるフランスの、過激な内容の歌詞をもつ国歌「ラ・マルセイエーズ」は、フランス革命時にマルセイユの義勇兵が歌っていたことから広まった「革命歌」でした。国歌の歴史や歌詞に込められたイデオロギーを解読することは、歴史の学習にもつながります。そうした国歌を100以上、網羅的に取り扱った書籍が〈春秋社音楽学叢書〉『国歌――勝者の音楽史』(上尾信也 著)です。他に類を見ない音楽本であり、さらに近代オリンピックについての考察も含まれている本書は、オリンピック中継のお供にうってつけです。
 また、国歌にくわえて、開催国である「フランス」への注目も高まっています。春秋社では多くの「フランス音楽」にかんする書籍を展開しております。7月には、『フランス音楽史』新装版(今谷和徳・ 井上さつき 著)や、『ヴェルサイユの祝祭――太陽王のバレエとオペラ』(小穴晶子 著)が刊行されます。後者はパリオリンピックの「近代五種」「馬術」の舞台となるヴェルサイユを舞台としています。そのほかにもアルカン、ダンディ、プーランク、コルトー=ティボー=カザルス・トリオの評伝など、五輪を機に多くの「フランス音楽ものの」書籍を手に取っていただけると幸いです。 (P)

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■目次■
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼新刊案内(6月刊行)
▼近刊案内(7月刊行予定)
▼重版情報
▼営業部だより

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☆ webマガジン「web春秋 はるとあき」☆ https://haruaki.shunjusha.co.jp/
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●好評連載●
○「フォルモサ南方奇譚⸺南台湾の歴史・文化・文学」   倉本知明
南台湾各地を舞台に、歴史や伝承を辿りながら知られざる台湾の姿を描き出すエッセイ。
【最終回】フォルモサ水滸伝 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8149
○「風をみる 開かれゆくアートの場とかたち」  日野 陽子
美術において、見える人と見えない人をつなぐ取り組みは、どのような歩みを経て今日に至るのか。
【第2回】豊科の冬の日 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8101
○「共に考え、共に感じる人――追悼・高橋巖」  飯塚 立人
2024年3月30日に亡くなったシュタイナー研究者・美学者の高橋巖氏を偲んで――。 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8091

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★「じんぶん堂」好評連載中!★
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力を発信していくプロジェクト” 「じんぶん堂(powered by 好書好日)」では書籍紹介や読み物など、魅力的な内容をお届けしています。ぜひご覧ください。※毎週木曜日更新(月3回)

◇6月20日 公開◇
チベットで性産業に従事する女性たちの背景――『花と夢』が描く現代のラサと信仰 → https://book.asahi.com/jinbun/article/15301132
書籍はこちらから→ 『花と夢』 https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393455104.html
♪日本経済新聞朝刊6/15にて紹介されました♪
評者は東京大学 大学院総合文化研究科 超域文化科学専攻 講師の及川 茜氏(研究分野:中国文学、比較文学)です。
「チベットのラサに咲いたささやかな花の姿を捉えた物語だ。」 → https://www.shunjusha.co.jp/news/n57637.html

◇6月6日 公開◇
「旅をしたかったのです!」――放浪の果ての出会い 『英国人尼僧、ティク・ナット・ハンと歩む』前篇 → https://book.asahi.com/jinbun/article/15277616
◇6月13日 公開◇
「もうひとつの伝記」――タイと歩んだ「我が家」への道 『英国人尼僧、ティク・ナット・ハンと歩む』後篇 → https://book.asahi.com/jinbun/article/15292444
書籍はこちらから→ 『英国人尼僧、ティク・ナット・ハンと歩む――真実の徳を求めて』 https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393333853.html

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☆ 新刊案内(6月刊行)☆ https://www.shunjusha.co.jp/search/new.html
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●『反密教学〈新装版〉』
津田 真一 著
A5判/400頁/4,400円
〈利他行の宗教〉と〈瑜伽の宗教〉という二分法を用いて、〈華厳〉と〈釈尊の宗教〉、〈大乗〉と〈密教〉、を両立不可能なものとして分けるなど、独創的な対談と論考八篇。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393113820.html
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●『イスラム世界に平和は来るか?――抗争するアラブとユダヤ、そしてイラン』
小滝 透 著
四六判/258頁/2,200円
紅海を封鎖するフーシ派やイスラエルと死闘を繰り広げるハマスは何者か? 現代の紛争やテロにひそむ一神教の思考を解説し、その民族的背景も説いて、平和への道を探る。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393341254.html
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●『[春秋社音楽学叢書] 国歌――勝者の音楽史』
上尾 信也 著
四六判/328頁/3,080円
世界の100曲以上の国歌を網羅的に分析し、国歌の制定の歴史をナショナリズムやポスト・モダニズム、コロニアル・ヒストリーといった観点から紐解く。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393930489.html

*今月の営業部イチオシ本*
●『[アジア文芸ライブラリー]わたしたちが起こした嵐』
ヴァネッサ・チャン 著 / 品川 亮 訳
四六判/440頁/2,970円
1945年、日本占領下のマラヤでは少年たちが次々と姿を消し始める……。日本軍のスパイに協力した主婦セシリーと、その家族に起こった数々の悲劇を、虚実を織り交ぜながら圧倒的な筆力で描く。20ヶ国以上で刊行決定、発売前から話題を呼んだ衝撃のデビュー作。女たちにとって、戦争とは何だったのか?(解説:松岡昌和)
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393455050.html

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★ 近刊案内(7月刊行予定)★ https://www.shunjusha.co.jp/search/next.html
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『千日回峰行〈新装版〉』
光永 覚道 著
四六判/256頁/2,200円
比叡山・天台宗に伝わる荒行=回峰行。千日回峰行を満行し、十二年籠山行を遂行した光永阿闍梨が、回峰行とは何か、〈生きる〉とは何かを縦横に語る魅力の〈回峰行大全〉。
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『『正法眼蔵』「現成公案」提唱』
青山 俊董 著
四六判/192頁/2,090円
『正法眼蔵』冒頭の「現成公案」、あらゆる存在と仏性の関係を細やかに著した道元禅師の代表的著作を、当代随一の禅僧が生き方に結びつけて力強く語り明かす。
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『[現代哲学への招待] 進化論の射程――生物学の哲学入門〈新装版〉』
E. ソーバー 著 / 松本 俊吉、 網谷 祐一、 森元 良太 訳 / 丹治 信春 監修
四六判/480頁/4,950円
進化論とは一体何か? 進化論にまつわる数々の誤解を解き、進化論が投げかける哲学的問いと、今後も人類に与えつづけるであろう衝撃を明らかにする。
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『[シュタイナー社会論入門] [3]人智学的共同体形成論』
高橋 巖 著
四六判/396頁/4,400円
シュタイナーによる共同体構想はどのようなものであったか。人智学協会再編に関わる重要な講義「共同体を人智学的に形成するために」(1923年)他を今日的視点から読み解く。
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『芸術と宇宙技芸』
ユク・ホイ 著 / 伊勢 康平 訳
四六判/528頁/4,950円
テクノロジーがもたらす破局を回避するための新しい始まりを求めて、西洋の芸術にある悲劇者の論理と中国の芸術にある道家の論理を取りだし、現代技術と芸術の関係を問う。
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『慈悲の瞑想――慈しみの心〈新装版〉』
B.H. グナラタナ 著 / 出村 佳子 訳
四六判/256頁/2,750円
自己から他者、そして生きとし生けるものすべての幸せを祈る慈悲の瞑想の基本を、マインドフルネスの大家が仏教経典に基づきわかりやすく説き明かした完全ガイドブック。
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『市民社会論の再生――ポスト戦後日本の労働・教育研究』
稲葉 振一郎 著
四六判/240頁/2,860円
新自由主義は勝利したのか? マルクス主義の失墜を受けとめつつも、なおも残る有効な洞察を探索し、段階論としての現代社会論を総括、未来の社会科学の展望を開く野心作。
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『増補版 精神科臨床とは何か――「私」のゆくえ』
内海 健 著
四六判/300頁/3,080円
刊行から約20年。精神医学の学び手に向けて精神科臨床の基礎から実践までを平明に綴った書に「補遺」を加え、あらためて精神科医の役割とは何かを問い直す増補版。
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『映画館に鳴り響いた音――戦前東京の映画館と音文化の近代』
柴田 康太郎 著
A5判/784頁/9,680円
戦前の東京の事例を手がかりに、サイレント時代からトーキー初期の日本の映画館に鳴り響いた音をさぐる。休憩奏楽や和洋合奏など、弁士や伴奏音楽にとどまらない豊穣な音の文化史。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393930496.html
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『ヴェルサイユの祝祭――太陽王のバレエとオペラ』
小穴 晶子 著
四六判/272頁/2,970円
「魔法の宮殿」にて、太陽王ルイ14世はバレエやオペラを以て人々を魅了させる。そこで奏でられていた音楽を、作曲家リュリの作品を中心に絵画や文学作品を交えつつ語る。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393930502.html
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『フランス音楽史〈新装版〉』
今谷 和徳、 井上 さつき 著
四六判/536頁/5,500円
中世・ルネサンスの教会/世俗音楽、ブルボン王朝の宮廷音楽、そして革命と戦争が渦巻く近現代へ――劇的に変化し続ける「フランス」を、音楽を通して一望する。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393930519.html

♪楽譜〈新装版〉♪
『ソナチネ集1』
井口 基成 編集・校訂
菊倍判切付表紙/148頁/2,200円
クレメンティ:op.36‐1~6/クーラウ:op.55‐1~6/ドゥシェック:op.20‐1~3/ディアベルリ:op.151‐1~4、op.168‐1~3/ベートーヴェン:No.4~6
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393918869.html
※こちらは「楽譜・音楽書祭り2024」対象楽譜です。
https://www.shunjusha.co.jp/news/n57293.html
『ブラームス集2』
井口 基成 編集・校訂
菊倍判切付表紙/192頁/2,860円
ワルツ集op.39/ピアノ小曲集op.76、op.118、op.119/スケルツォop.4/バラード集op.10/2つのラプソディーop.79/3つの間奏曲op.117/幻想曲集op.116
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393918463.html
『シューマン集1』
井口 基成 編集・校訂
菊倍判切付表紙/152頁/2,420円
ソナタ集:第1番嬰ヘ短調op.11/第2番ト短調op.22/第3番ヘ短調op.14 その他:プレスト遺作/スケルツォ遺作
『シューマン集5』
井口 基成 編集・校訂
菊倍判切付表紙/128頁/2,200円
こどものためのアルバムop.68/色とりどりの作品op.99/音楽帳op.124
『サン=サーンス集』
森安 芳樹 編集・校訂・運指 / 寺西 基之 解説
菊倍判切付表紙/128頁/3,300円
グルックの「アルセスト」の舞踏曲にもとづくカプリス/ワルツのかたちによる練習曲op.52‐6/アレグロ・アパッショナートop.70/主題と変奏op.97/トッカータop.111‐6/左手のためのブーレおよびエレジーop.135‐4、5/死の舞踏[リスト編曲]op.40

(※刊行時期は変更となる場合がございます。)

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☆重版情報 ☆ https://www.shunjusha.co.jp/news/nc3760.html
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『人生の意味の哲学入門』
森岡 正博、蔵田 伸雄 編
四六判/320頁/2,420円
「私の人生に、生きる意味はあるのか?」この問いを分析哲学的に研究する21世紀英語圏の新しい議論を紹介しつつ、実際に探究する。【3刷】
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393333952.html
◎本書は11の出版社による「文庫のように大量生産できないが、読み継がれるべき基本図書やロングセラー」のブックフェア【四六判宣言】に出品しております。
フェアについて詳しく知りたい方は こちら → https://note.com/shirokuban/

『[春秋社音楽学叢書]音楽学への招待』
沼野 雄司 著
四六判/296頁/2,860円
音楽についての学問といっても、その裾野は実に広い。本書では大作曲家の「駄作」からプロレスラーのテーマ音楽、さらには「モーツァルト効果」まで、さまざまな対象を歴史・社会学・心理学など多彩な切り口で考察する。かくも自由で融通無碍な学問のススメ。【3刷】
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393930403.html

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□営業部だより□
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 7月3日、20年ぶりに新紙幣が発行されました。表面にはすべて、近代の高等教育の発展に大きく寄与した人物が描かれていますが、その裏面にはそれぞれ「東京駅」、「藤の花」、「富嶽三十六景《神奈川沖浪裏》」が刷られています。1914年に竣工した東京駅丸の内駅舎には、渋沢栄一が設立した日本煉瓦製造のレンガが使用されていたそうですし、何かしらの縁をもってその図柄が起用されたとは思うのですが、海外の方が見たときに「ニッポン」を感じられるような、そんなスーベニアとしての側面もあるのではとつい考えてしまいます。紙幣もまた旅の思い出として、絵葉書のような「お土産」になるのではないかと……。
 さて、日本銀行が公開している「現在発行されている」紙幣のなかには二千円券があります。「現在も?」と思われる方も多いでしょう。国立印刷局による新規製造は行われていないそうですが、いまでも日本銀行が「発行」しており、聞いた話では、神保町には「新札の二千円紙幣」を釣り銭として渡している和菓子屋さんがあるそうです。
 2000年に発行を開始したこの紙幣には、表面に首里城公園内にある「守礼門」が、裏面に「源氏物語絵巻」より「鈴虫」の絵図と、『源氏物語』の作者である紫式部の図柄が印刷されています。現在NHK大河ドラマ「光る君へ」が放送中ですが、7月の段階では、主人公である紫式部はまだその名で呼ばれていません。他方で、清少納言はすでに『枕草子』を著しています。小社刊、鳥居本幸代 著『紫式部と清少納言が語る平安女子のくらし』は、平安時代を生きる貴族女性の生涯を掘り下げ、宮廷での生活や人間関係、恋愛や結婚事情について迫った一冊です。現代にも通ずる女性たちの、まさに「ドラマ」がそこにあります。また、来月には西原志保 著『恋愛しない私でも『源氏物語』は楽しめますか』の刊行も控えております。こちらは「恋愛物語としての『源氏物語』」だけではない視点で作品を読み直し、現代のドラマなども題材に、いまを生きるわれわれのセクシュアリティやアイデンティティ、家族や結婚のあり方などを再考する内容となっております。
 今年の夏も全国的に記録的な暑さが続くと予想されています。こまめな水分補給と休憩を忘れずに、理想としては涼しさの保たれた場所で、快適に読書を楽しむのはいかがでしょうか。みなさまどうかくれぐれも、お体に気をつけて日々をお過ごしください。(A)
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□春秋社 メールマガジン□ 毎月1回(第1金曜日)配信
発行:株式会社 春秋社
〒101-0021 東京都千代田区外神田2-18-6
ホームページ: https://www.shunjusha.co.jp/
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■バックナンバー
【Vol.063】 2024年 6月 7日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8132
【Vol.062】 2024年 5月 3日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8064
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