メールマガジン Vol.068
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春秋社 メールマガジン【Vol.068】
2024年 11月 1日配信
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巻頭言
「ミュージカルはなぜいきなり歌うのか」
「ヘヴィ・メタルといえばなぜ悪魔なのか」
本邦には音楽本を刊行している版元がいくつかございますが、「春秋社の音楽本」といえば、いわゆるクラシック音楽の重厚な書籍といったイメージが強いでしょうか。直近刊行された『アントン・ブルックナー』(フェーリクス・ディアガーテン[著]、池上健一郎[訳]、432頁)は、より弊社らしい音楽本といえるでしょう。
一方で、これまでの傾向とはすこし変わった「ポピュラー音楽」の書籍も近日展開中です。とはいえ、扱う音楽やジャンルが異なるだけで、研究の取り組みかたに大差はありません。冒頭にあげた「あたり前ではあるけれど、よくよく考えたら謎めいた"あるある"」に、先行研究の精査や地道な分析をもって真摯にアプローチしています。
『ミュージカルの解剖学』(長屋晃一[著])は、ミュージカルのもつ「きらめき」について徹底解剖します。作品の紹介・分析だけにとどまらず、「歌手がなぜいきなり歌うのか」という問いについて、演劇理論(ときに古代ギリシャの哲学者の文献も含みます)の側から解き明かしていく試みがなされています。舞台芸術にかかわる全人類が必読の一冊といえるでしょう。
『ロックと悪魔』(黒木朋興[著]) https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393932391.html は、ヘヴィ・メタルの悪魔表象について、政治・社会・宗教の側面から考察する画期的一冊です。本書で扱うアーティストはブラック・サバスから、日本の聖飢魔IIにいたるまで幅広く、国ごとの宗派や宗教観の違いといった観点から、彼ら(そしてわれわれ)にとっての「悪魔」について考えてゆきます。前代未聞の取り組みとはいえ、もっとも「音楽学×宗教学」という組み合わせは、春秋社の特徴を絶妙に融合した一冊なのかもしれません。
ミュージカルとロック。いずれも本邦で「熱狂的な」ファンがいる音楽ジャンルです。本を開いた先に待っているのは、「煌めきトキめく魅惑の世界」か、「悪魔が微笑む暗黒の世界」か――普段これらの音楽をあまり聞かない方も、ぜひ!!(P)
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■目次■
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼書評紹介情報
▼新刊案内(10月刊行)
▼近刊案内(11月刊行予定)
▼営業部だより
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★「じんぶん堂」好評連載中!★
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力を発信していくプロジェクト”「じんぶん堂(powered by 好書好日)」では書籍紹介や読み物など、魅力的な内容をお届けしています。ぜひご覧ください。※毎週木曜日更新(月3回)
◇10月3日 公開◇
恋愛ばかりが重要なのですか? 『源氏物語』から仕事とプライヴェートの問題を考える → https://book.asahi.com/jinbun/article/15449536
書籍はこちらから → 『恋愛しない私でも『源氏物語』は楽しめますか』
◇10月10日 公開◇
心の多様性と豊かさをインコやオウムから知る → https://book.asahi.com/jinbun/article/15450083
◇10月17日 公開◇
「好き」と「嫌い」から見えてくる鳥の心と個性 → https://book.asahi.com/jinbun/article/15457720
書籍はこちらから → 『人も鳥も好きと嫌いでできている――インコ学概論』
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☆ 書評紹介情報 ☆
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◇朝日新聞朝刊10/5にて『つくられた天才』が紹介されました◇
2024年10月5日の朝日新聞朝刊にて、ティア・デノーラ 著、丸山 瑶子 訳『つくられた天才――ベートーヴェンの才能をめぐる社会学』の書評が掲載されました。
評者は、作曲家の望月京(もちづき・みさと)氏です。
「まず浮き彫りになるのは、音楽の才に加えて秀でたベートーヴェンの野心的自己プロデュース力とビジネスセンスだ。」
「原著の出版から約30年、その間の批評や反論、それらを踏まえた意義や影響の大きさなど、訳者による補完も有益だ。」
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★ 新刊案内(10月刊行)★
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●『迷惑かけてありがとう――終活から集活へ』
星野 哲 著
四六判/200頁/1,980円
終活で本当に取り組むべきことは、人生会議と遺言作成の2つだけ。迷惑かけても大丈夫な人との「つながり」を生前に築く大切さを説く新しい終活のすすめ。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393334072.html
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●『ミュージカルの解剖学』
長屋 晃一 著
A5判/320頁/2,860円
「なぜ歌うのか」という問いに答えるべく、ミュージカルというジャンルを成立させ、「きらめき」をうみだす型のしくみを解き明かし、だれもみたことがない舞台裏をのぞく。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393932360.html
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●『アントン・ブルックナー』
フェーリクス・ディアガーテン 著 / 池上 健一郎 訳
四六判/432頁/3,960円
最新の知見にもとづいて従来の逸話や人物像を検証。19世紀という時代を生き、遅咲きではあったが“交響曲作家”として成功したその確固たる歩みをつぶさに追う。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393932377.html
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♪楽譜〈新版〉♪
計1点
・『リスト ピアノ作品集[1]――ソナタ ロ短調 2つの伝説 他』
井口 基成 編集・校訂・運指 / 近藤 嘉宏 解説
菊倍判切付表紙/180頁(解説17頁)/2,860円
ソナタロ短調/ポロネーズ第2番/バラード第2番/メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」/即興的ワルツ/忘れられたワルツ 第1番/コンソレーション(全6曲)/2つの伝説 1)小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ 2)波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393918234.html
♪楽譜〈新装版〉♪
計2点
『モーツァルト集[1]』
井口 基成 編集・校訂
菊倍判切付表紙/160頁/2,200円
ソナタ集《第1巻》
1)ハ長調K.279(189d)/2)ヘ長調K.280(189e)/3)変ロ長調K.281(189f)/4)変ホ長調K.282(189g)/5)ト長調K.283(189h)/6)ニ長調K.284(205b)/7)ハ長調K.309(284b)/8)イ短調K.310(300d)/9)ニ長調K.311(284c)/10)ハ長調K.330(300h)
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393918296.html
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『ソナチネ集[2]』
井口 基成 編集・校訂
菊倍判切付表紙/160頁/2,750円
クレメンティ:op.37‐1~3/クーラウ:op.20‐1~3、op.59‐1~3/ドゥシェック:op.20‐4~6/ディアベルリ:op.168‐4~7/モーツァルト:No.1~3〔K.Anh.229(439b)〕
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393918876.html
*今月の営業部イチオシ本*
●『[アジア文芸ライブラリー] 高雄港の娘』
陳 柔縉 著 / 田中 美帆 訳
四六判/360頁/2,750円
日本統治時代に台湾南部の港町・高雄で生まれた孫愛雪。戦後の政治的弾圧で父と夫は国を去り、やがて愛雪も夫を追って日本へ渡る。「良妻賢母」の価値観を教え込まれた愛雪は、その通りに家の仕事をこなし、台湾独立運動に奔走する夫を支えながら、自らも実業家として道を切り拓き強く生きた。そして晩年、家族を陥れた意外な真実を知る……。
実在の人物・郭孫雪娥をモデルとしつつ、虚構を交えながら女性の視点で台湾の現代史を問い直す歴史小説。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393455098.html
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★ 近刊案内(11月刊行予定) ★ https://www.shunjusha.co.jp/search/next.html
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●『『正法眼蔵』「菩提薩タ四摂法」提唱』(タは土へんに垂)
青山 俊董 著
四六判/208頁/2,200円
道元禅師の『正法眼蔵』のうち、布施・愛語・利行・同事を説いた四摂法の巻を、稀代の禅師が生き生きと語り尽くす。天地いっぱいの命を授かって生きるための四つの心構え。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393150047.html
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●『西田哲学の仏教と科学――「場所的論理の立場から、科学を考へ直す」』
坂本 慎一 著
四六判/344頁/3,520円
京都学派が触れてこなかった近代真言教学と数学、科学の影響を初めて解明。場所の論理と曼荼羅、研究スタイルとと和算など、今後の西田哲学研究を大きくかえる画期的論考。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393311455.html
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●『分析形而上学の最前線――人、運命、死、真理』
森田 邦久、柏端 達也 編
四六判/440頁/4,180円
人はどんな存在か、運命は決定しているか、死はいつ悪か、真理を決めるのは何か。四つのテーマを異なる立場から立論、お互いにコメント、再反論しあう新スタイルの論文集。
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●『死刑制度を問う――仏教・浄土真宗の視点から』
大谷 光真 著
四六判/194頁/2,750円
宗教界からも様々な声が挙がっている死刑制度。浄土真宗本願寺派前門主が、日本の死刑制度をめぐる社会と倫理の問題を整理し、そのあり方を問う。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393334096.html
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●『日本数寄〈新装版〉』
松岡 正剛 著
四六判/384頁/3,520円
いま、日本は漠然としすぎている。何かが発揮されないまま、すっかり沈殿したままになっている。日本文化史にひそむ話題を取り上げ、その行間の一端に、今日につながる隙間を透く。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393334119.html
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●『こころを変えるNLP――神経言語プログラミング基本テクニックの実践〈新装版〉』
スティーブ・アンドレアス、コニリー・アンドレアス 著 / 橋本 敦生 監訳 / 浅田 仁子 訳
四六判/384頁/3,630円
カウンセリングの新潮流として注目されるNLP(神経言語プログラミング)の基本テクニックをセミナー形式で紹介。難しいと思って敬遠していた人にもお薦めの一冊。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393360705.html
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●『マインドフルネス 気づきの子育て』
ジョン・カバット-ジン、マイラ・カバット-ジン 著 / 穂積 由利子 訳
四六判/452頁/3,300円
今、ここへの気づきが子の内面にかけがえのない栄養を与え、親としての人生を豊かにする。マインドフルネスの父が実際におこなった子育てとは。ティク・ナット・ハン他推薦。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393365731.html
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●『社会主義・経済計算・起業家精神』
ヘスース・ウエルタ・デ・ソト 著 / 蔵 研也 訳
A5判/408頁/6,050円
社会主義は人々に幸福をもたらしえたか…。ミーゼス・ハイエクvs社会主義理論家達との論争を明らかにする。オーストリア学派の自由主義経済思想を理解するための必読書。
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●『女性のためのアーユルヴェーダ〈新装版〉』
クリシュナ・ウパディヤヤ・カリンジェ 著
四六判/208頁/2,420円
在日のインド人アーユルヴェーダ医が日本女性の健康の悩みに応えた待望の書。冷え性,肩こり,生理不順,排尿障害,偏頭痛,肌荒れ,肥満,低血圧,貧血,骨粗しょう症等。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393714188.html
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●『[春秋社音楽学叢書]新しい音楽が息づくとき――一〇〇年前の日本のざわめきを読む』
井手口 彰典、山本 美紀 編
四六判/274頁/3,080円
西洋の模倣を脱し、バイタリティにあふれていた1920~30年代日本の音楽実践を、種々の事例から検証。受容から創造へと至る多様なせめぎ合いの過程を描く。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393930540.html
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●『ロックと悪魔』
黒木 朋興 著
四六判/308頁/2,750円
ヘヴィ・メタルの特徴のひとつである悪魔表象について考察する一冊。政治や文学、さらに宗派や宗教観の違いにいたるまで、さまざまな角度からこの音楽の文化的特徴に迫る。
https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393932391.html
『楽譜〈新版〉』
計1点
・『[新版] リスト ピアノ作品集[2]――愛の夢 巡礼の年 他』
井口 基成 編集・校訂・運指 / 近藤 嘉宏 解説
菊倍判切付表紙/216頁(解説20頁)/3,080円
愛の夢(3つの夜想曲)/詩的で宗教的な調べ 7)葬送, 10)愛の賛歌/巡礼の年第1年「スイス」(全9曲)/巡礼の年第2年「イタリア」(「ペトラルカのソネット」「ダンテを読んで」ほか全7曲)/「ヴェネツィアとナポリ」(全3曲)/巡礼の年第3年:4)エステ荘の噴水
『楽譜〈新装版〉』
計1点
・スクリャービン全集[1]
伊達 純、岡田 敦子 編集・校訂・運指
菊倍判切付表紙/128頁/2,970円
ソナタ集1:1)ヘ短調op.6/2)嬰ト短調op.19「幻想ソナタ」/3)嬰ヘ短調op.23/4)嬰ヘ長調op.30/5)op.53
(※刊行時期は変更となる場合がございます。)
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□営業部だより□
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海を渡った米国大リーグでは、大谷選手と山本選手を擁するロサンゼルス・ドジャースがワールドシリーズを制しました。日本のプロ野球は、2連敗で敵地に乗り込んだ横浜DeNAベイスターズが3連勝し、日本一に王手をかけています。野球が好きなかたはこの1週間、朝も夜も試合から目が離せなかったのではないでしょうか。
秋といえばスポーツの秋、食欲の秋、そしてなんといっても「読書の秋」です! 先週末に開かれた神保町ブックフェスティバルはたくさんのかたがたにご来場いただき、大盛況でした。当日小社ブースにお越しくださいましたみなさまに厚く御礼申し上げます。店頭に立つなかでとくに心に残っているのが、二人連れのお客様が『それでも人生にイエスと言う』を見つけて、「これはほんとうにいい本だよね」「たぶん棚のどこかにあるよ」と仰っていたことです。それは、お二人だけの会話。わたくしに向かって発せられたわけではありません。でもその言葉に、胸がとても熱くなりました。
1冊の本を売ること。それは、本とお客様を結ぶ「出会い」をつくること。忘れ得ぬ出会いは何年経っても、心の「どこかにある」のだとあらためて強く思うことができました。
これからも、みなさまとともに「考える愉しさを、いつまでも」ーーよりいっそう良書の刊行に努めてまいりますので、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。(A)
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【Vol.067】 2024年 10月 4日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8374
【Vol.066】 2024年 9月 6日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/8300
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