メールマガジン Vol.089
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春秋社 メールマガジン【Vol.089】
2026年 8月 7日配信
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巻頭言!
え~、聞いてくださいよ。こないだ駅の自動改札でPASMOをセンサーにかざそうとしたら、反対側から若い女性が突然足早に近づいてきて、同じ改札のセンサーにスマホを押しつけたんです。もちろん私のほうが早かったので、女性は閉めだされ、私は悠々と改札を通りました。そしたら、その女性、私に向かって、
「マジ、ムカつく! 死ね!」
って吐き捨てていったんです! 信じられますか? 何で通りすがりの見知らぬ女に「死ね!」とまで言われなきゃならんのか? タイミング的にも私が早いに決まってたわけで、おまえの判断力がゼロなだけだろうに、私に悪態をついてどうする、と驚き呆れたものであります。
さらに思いだせば雨の日に、コンビニに入ろうとして傘をたたんだんだけど、ほら、傘の生地のまわりにぐるりとまわしてボタンでとめるやつ――ネームバンドとかいうらしいんですが――を、なかなかとめられずにモタモタしていたら、若い男が私を睨めつけるようにじろりと見て、
「マジ、邪魔!」
と、これまた唾棄するように言ってくれたもんです。ああ、いやだ、いやだ。最近の若いモンはなっちゃいねえ……ソクラテスの古代から脈々と受け継がれた愚痴が脳裡に浮かぶ。もやもや、ムカムカがとまらず、一日が台無しだよ……。
そうだ! こんなときは、気分転換に音楽を! セックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・UK」なんかもいいですが、ここはパイプオルガンの音でもやもやを吹き飛ばそう。てなわけで、とりあえずバッハの名曲「パッサカリアとフーガハ短調」。いま持ち歩いて聴いているのは、トン・コープマンがオットーボイレン修道院の三位一体オルガンを演奏したものですが、オルガンの音がめちゃくちゃいい。あと、ヴャルヒャやリヒターといったむかしの演奏は、弱音からはじめてだんだん音量を増やしていくんだけど、最近は冒頭から音量いっぱいフルオルガンが多くなり、この演奏もリード管マックスのペダルによる主題提示からはじまると、次は手鍵盤がプリンツィパル系の荘厳な音を響かせる。くう~っ、たまらん! 汚れた心が浄められるんじゃあ~。
それにしても、パイプオルガンのこの魂を浄化するような響きは何なのか。そんなことを考えるのにぴったりの本を最近刊行したのです。科学の詩人と呼ばれる物理学者の 佐治晴夫氏と気鋭のオルガニスト・ 石丸由佳氏が対談した『音楽は、宇宙の響き――オルガニストは現代物理学の夢を見るか』です。
まあ、読んでいただきたい。石丸氏が神の導きのごときふしぎな縁でオルガニストへの道を歩み、ヨーロッパ演奏旅行は、人々の温かさや敬虔な信仰に触れつつも、現地の適当さ・いい加減さに翻弄されて、トラブりまくる珍道中。佐治氏が戦争中にバッハを聴いてオルガンに憧れ、物理学者として多大な業績を残しながら音楽を愛しつづけて、みずからオルガンを演奏するにいたったいきさつや、あの戦争で亡くなった人々の鎮魂と慰めを与えてくれた音楽への感謝――などなど読みどころは尽きません。
おふたりの話を聞いていると、人類は有史以前から音を希求し、ひょっとしたら言語より先に音楽を手に入れていたかもしれないのです。そして、広大な宇宙に生まれては消えてゆく星々のカケラを宿した人類の「音」への渇望の集大成がパイプオルガンです。どんな音でも出せるように、長さも太さも材質も形も違う何千本というパイプをそびやかし、建築と一体となって発せられる音は、まさに宇宙の響きです。本書を読んで、ぜひ人類の原点に触れ、パイプオルガンのめくるめく世界に耽溺してほしいのです。(K2)
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■目次■
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼新刊案内(7月刊行)
▼近刊案内(8月刊行予定)
▼書評情報
▼重版情報
▼営業部だより
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☆ webマガジン「web春秋 はるとあき」☆ https://haruaki.shunjusha.co.jp/
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●好評連載●
○言葉の舞台裏 演劇翻訳の悩ましき日常 小田島創志 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1156
演劇翻訳家の「三代目」として生まれ、シェイクスピアの新訳からミュージカル、現代演劇まで数々の舞台を手掛ける気鋭の若手が、演劇翻訳の苦悩と楽しみを綴る。
【第4回】祖父と翻訳 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9740
○社会を癒す「私」になる――マインドフルネスとポリヴェーガル理論が拓くケアのまなざし 井上ウィマラ × 花丘ちぐさ → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1154
Teachers主催「マインドフルネス・カレッジ」オンライン講座における井上ウィマラ氏 × 花丘ちぐさ氏の対談をもとに加筆修正・再構成したものです。
【第6回】災害支援――マインドフルネスとポリヴェーガルの視点から【井上ウィマラ × 花丘ちぐさ】 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9746
○イタリア文学哲学散策――特にルネサンス文化下の著述家たち 澤井繁男 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1139
【第4回】口述筆記のアルバイト(1) → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9712
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★「じんぶん堂」好評連載中!★
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力を発信していくプロジェクト” 「じんぶん堂(powered by 好書好日)」では書籍紹介や読み物など、魅力的な内容をお届けしています。ぜひご覧ください。※木曜日更新(月3回)
◇7月16日 公開◇
チベット側から見たシュクデン――モンゴル文学『シュグデン』の背景とは?(前編) → https://book.asahi.com/jinbun/article/16705933
◇7月23日 公開◇
チベット側から見たシュクデン――モンゴル文学『シュグデン』の背景とは?(後編) → https://book.asahi.com/jinbun/article/16728942
民主化以降にモンゴル国で書かれた長篇小説としてはじめての邦訳出版となる 『シュグデン』( グン・アヨルザナ著、 阿比留美帆訳)。
この「シュグデン」とは一体何なのか、数多くのチベット関連書籍の翻訳を手掛けている 三浦順子氏による解説。
書籍はこちらから → 『[アジア文芸ライブラリー]シュグデン』
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★新刊案内(7月刊行)★ https://www.shunjusha.co.jp/search/new.html
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●『ひろさちやの『維摩経』講話〈新装版〉』
ひろ さちや 著
四六判/296頁/3,520円
快刀乱麻に並み居る菩薩・仏弟子を論破する維摩居士に仏教の教えを学ぶ。壮大な『維摩経』が伝える、「真の仏教」の姿とは。在家により興隆し今の日本に続く大乗仏教入門書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10170387.html
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●『釈迦〈新装版〉』
ひろ さちや 著
四六判/408頁/3,300円
仏教の祖、釈迦の辿った道すじを追いながら、初期仏教がどのように興隆したかを解説。原典をひもときつつ、これまで語り伝えられてきた様々な有名エピソードの真相を探る。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10170385.html
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●『回峰行のこころ――わが道心〈新装版〉』
葉上 照澄 著
四六判/184頁/2,530円
不眠不臥・断食断水の期間を含め、七年千日にわたり比叡全山の諸仏を巡拝する回峰行。その科学にして科学を超えた奥義を、自らの体験を哲学的省察をもとに明快に説き明かす。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10170380.html
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●『正法眼蔵 全 新講 第三巻』
南 直哉 著
A5判/308頁/4,620円
仏教の思想の核心は無常・無我・縁起であるという立場から真意に迫る。第三巻は、修行のあり方を説く「行持」上・下と、縁起する存在の仕方を説く「インモ(インは任の下に心、モはあさかんむりの下にいとがしら)」の巻を収録。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10170379.html
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●『「21世紀は仏教の出番」となるか――千日回峰行者・葉上照澄大阿闍梨の大志』
神藤 誉武 著
四六判/480頁/4,620円
戦後、世界平和に貢献した千日回峰行者・葉上照澄師の自伝などを収めた第一部と著者による日本仏教史・近現代日本の時代背景等の解説の第二部からなる歴史的大著。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10170378.html
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●『規範と人間――行為・理解・知覚』
飯嶋 裕治 著
四六判/400頁/4,180円
規範とは何か。アンスコム、テイラー、マクダウェル、ドレイファス、クリプキ、和辻哲郎といった哲学者たちの思考を参照し、謎めいた規範の意味や強制力の本質に迫る。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10168971.html
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●『〈気づき〉の呼吸法〈新装版〉』
ゲイ・ヘンドリックス 著 / 上野 圭一 監修 / 鈴木 純子 訳
四六判/248頁/3,850円
人は無意識のうちに1日2万回以上も呼吸している。無理のない呼吸法を身につけることで集中力・運動能力の向上へ導く。少しの変化で心身のバランスが整う驚きのメソッド!
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10170381.html
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●『《蝶々夫人》論――「日本の悲劇」の生成と変容』
長木 誠司 著
A5判/720頁/7,920円
プッチーニの傑作オペラ《蝶々夫人》。その起源と作品成立から受容、そして派生作品まで広範に渉猟し、近代日本の複雑なアイデンティティの在処にまで切り込んだ力作。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10170383.html
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●『ピアニストはおもしろい〈増補版〉』
仲道 郁代 著
四六判/352頁/2,750円
ひたむきに歩み続けるピアノ人生、その舞台裏を楽しく綴る。初版から10年あまりを振りかえる補章「そこにあるという時を求めて」を追補。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10170384.html
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●『ピアニスト その人生〈新装版〉』
園田 高弘 著
四六判/296頁/3,300円
理想を追い求め厳しく自己と闘いつづけた音楽家の生の軌跡。若き日に公刊された日記を収録。20世紀後半の日本及びヨーロッパ音楽界を内側から一望する貴重な証言。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10170778.html
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*今月の営業部イチオシ本*
●『音楽は、宇宙の響き――オルガニストは現代物理学の夢を見るか』
佐治 晴夫、石丸 由佳 著
四六判/288頁/2,530円
科学の詩人と気鋭のオルガニストが、抱腹絶倒のヨーロッパ修行から、神の予感、音楽が心を動かす理由など、パイプオルガンの魅力とそこにひそむ宇宙の神秘を語りつくす。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10168972.html
☆本書の 出版記念公演が、所沢市民文化センター ミューズ・アークホールで2026年11月15日(日曜日。14:15開場/15:00開演)に開催されます!
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/event/detail/20261115/
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★近刊案内(8月刊行予定)★ https://www.shunjusha.co.jp/search/next.html
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●『[原始仏典IV]小部経典 第三巻』
中村 元、前田 專學 監修 / 羽矢 辰夫、矢島 道彦、榎本 文雄 編集 / 中村 元、藤本 晃 訳
A5判/448頁/10,450円
『パーリ語三蔵』の「経蔵」に所収の『小部経典(クッダカ・ニカーヤ)』の現代語訳。「ペータヴァットゥ」「テーラガーター」「テーリーガーター」を収録。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10171781.html
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●『内観法〈新装版〉』
吉本 伊信 著
四六判/288頁/3,300円
古来より日本に伝わる宗教的修行法をもとに、それらを大幅に改良し、宗教色を徹底的に払拭した独自の心理療法・自己変革法を確立するに至った著者の「自伝的」内観入門書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10171780.html
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●『[アジア文芸ライブラリー]風の神のいたずら』
朱 和之 著 / 前野 清太朗 訳
四六判/464頁/3,960円
台湾出身の音楽家・江文也をモデルに、彼の波乱万丈な人生を描く音楽小説。戦前から戦後にかけて東アジアで活動した芸術家たちの境遇や葛藤、置かれた状況が映し出される。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10171782.html
(※刊行時期は変更となる場合がございます。)
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☆ 書評情報 ☆ https://www.shunjusha.co.jp/news/nc3756.html
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○日本経済新聞7/18と毎日新聞7/20にて、 『[アジア文芸ライブラリー]シュグデン』が紹介されました
7/18(土)の日本経済新聞および、7/20(月・祝)の毎日新聞にて、グン・アヨルザナ 著 / 阿比留 美帆 訳 『[アジア文芸ライブラリー]シュグデン』が掲載されました。
「アヨルザナさんは「出口の見えないモンゴルの厳しい状況を、きちんと書いておきたかった」と思いを語る。」
(毎日新聞「モンゴル人の記憶たどった アヨルザナさん『文学で深い理解を』」最終更新 7/23より)
○東京新聞7/25にて 『新しいインド音楽の世界』が紹介されました
7/25(土)の東京新聞ほかにて、軽刈田 凡平 著 『新しいインド音楽の世界――混沌と刺激のサウンドを求めて』の共同通信社配信書評が掲載されました。
評者は音楽ライターの安藤さやか氏です。
「その軽妙な語り口とインドとの絶妙な距離感によって、見慣れない地名や人名もすんなりのみ込める。紹介の仕方も興味を引かれるものばかり。」
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☆ 重版情報 ☆ https://www.shunjusha.co.jp/news/nc3760.html
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●『なぜふつうに食べられないのか――拒食と過食の文化人類学』
磯野 真穂 著
四六判/2015年1月刊/2,750円【8刷】
医療が語り得ぬもの。
医療の視点では捉えきれない摂食障害の内実をエスノグラフィーの手法を援用し、4年間111時間に及ぶインタビューを通し、6人の「語り」のなかに食の本質を探る。
お茶の水女子大学名誉教授 波平恵美子氏 推薦!
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□営業部だより□
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平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
小社は2026年8月12日(水)~8月14日(金)まで休業させていただきます。
お問い合わせ、ご注文等への対応は8月17日(月)以降となりますので、あらかじめご了承ください。
みなさまにはご不便をおかけいたしますが、ご理解を賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。 (E)
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□春秋社 メールマガジン□ 毎月1回(第1金曜日)配信
発行:株式会社 春秋社
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■バックナンバー
【Vol.088】 2026年 7月 3日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9773
【Vol.087】 2026年 6月 5日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9710
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