メールマガジン Vol.084
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春秋社 メールマガジン【Vol.084】
2026年 3月 6日配信
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「グエー死んだンゴ」
自らの死の直前にそう書き込んだのが、Xのユーザーのなかやま氏である(2025年10月12日)。投稿は瞬く間に拡散され、3.6億超えのエンゲージメントを記録。投稿主ががん闘病の末に逝去したこともあって、各がん研究所や医療機関への寄付へもつながった。
この「…ンゴ」という独特の言い回しは、ドミンゴ・グスマンという野球選手を発端に広まったスラングである。それをネットでよく目にするフレーズだと認識していたとしても、さらにさかのぼった先の野球選手の名前まで知っていたひとは少ないはずだ。いわゆる「野球ネタ」が、それとはまったく関係のないところで独り歩きをはじめ、最後には社会現象とも呼べるような動きにつながったのである。
しかし、どうして野球はほかのスポーツと比べ、ミーム化されやすい傾向があるのだろうか。それに、人々の間で飛び交う言葉には、無意識的なのか「野球のたとえ」が高確率で潜伏する。しかもその比喩が、なぜか大きな説得力をもつのが厄介で、「野球のたとえ話をする人って、振り逃げで出塁するタイプが多い」とも言われる(武田砂鉄『べつに怒ってない』筑摩書房、2022年)。この現象は、サッカーでは、バスケットボールでは、フィギュアスケートでは、あまり生じない。不思議である。
そうした野球界隈で独特に生じる文化や、選手のメディアでの扱われ方をも読み解き考察する新刊が 『野球の美学』(根岸貴哉[著]) https://www.shunjusha.co.jp/book/b10159026.html である。現在開催中の国際的な野球大会は、ある動画配信サービス会社の独占によって中継されるらしいが、またスラングが、「野球のたとえ」が、世間を横行しているのだろうか。ぜひその観戦と観察のお供にしていただければ幸いである。
ところで「グエー死んだンゴ」にはセットとなる、下の句のような言葉がある。「成仏してクレメンス」だ。──これ、私はてっきりローマ教皇クレメンス8世のことだと思っていたが、これまた正しくは野球選手のロジャー・クレメンスが出所らしい。ここでもまた、野球である。
いや、そもそも「Clemens」というラテン語には「慈悲深い」などという意味があるのだから……と口出ししたくなる。しかし、文章を格式高く締めようとする人って、ラテン語やその格言を引き合いに出すタイプが多いとわれ思う。ゆえにわれあり。(P)
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■目次■
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼新刊案内(2月刊行)
▼近刊案内(3月刊行予定)
▼重版情報
▼営業部だより
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☆ webマガジン「web春秋 はるとあき」☆ https://haruaki.shunjusha.co.jp/
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○事業表現考――組織的表現としてのビジネスの技法 桜井肖典/増村江利子(聞き書き) → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1150
たった一人のささやかな発見がかたちとなり、人々と共有されていく。「組織的な表現活動」としてのビジネス、そのつくり方をめぐる旅
【第3回】「生産」ってなんだろう → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9465
○鋼鉄の講義室 メタル文化学入門 齋藤桂 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1126
様々な角度からヘヴィー・メタルとそれをとりまく文化を捉える試み。「メタル文化学入門」の開講!
【第7回】鋼鉄の図書室――メタルで文学を読むII → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9450
○宇宙時代と大乗仏教 田中公明 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1149
【第9回】主観・客観の二元対立は存在しない → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9425
【第10回】仏教はコギトを否定するのか?―和辻哲郎の仏教解釈について― → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9426
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★「じんぶん堂」好評連載中!★
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力を発信していくプロジェクト” 「じんぶん堂(powered by 好書好日)」では書籍紹介や読み物など、魅力的な内容をお届けしています。ぜひご覧ください。※木曜日更新(月3回)
◇2月12日 公開◇
慢性痛はなぜ「心身二元論」を揺さぶるのか――『痛みからの解放』が示す新しい身体観 → https://book.asahi.com/jinbun/article/16324469
◇2月19日 公開◇
慢性痛が問い直す人間観――『痛みからの解放』と身体性の復権 → https://book.asahi.com/jinbun/article/16341830
痛みを単なる「身体の故障」として扱ったときに見落とされてしまうものとは何なのか――。訳者で臨床心理士の志村秀実氏による寄稿
書籍はこちらから → 『痛みからの解放――トラウマによる慢性痛を癒す内なる力との出会い』 https://www.shunjusha.co.jp/book/b10149668.html
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★新刊案内(2月刊行)★ https://www.shunjusha.co.jp/search/new.html
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●『インド思想史 上』
吉水 清孝 著
A5判/304頁/3,850円
最新の研究成果を反映したインド思想史の決定版。上にはヴェーダ、初期仏教、アビダルマ、叙事詩、法典、サーンキヤ・ヨーガ、ニヤーヤ・ヴァイシェーシカまでを収録。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10154122.html
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●『正法眼蔵の参究――自己のゼロ・ポイントに還る』
唐子 正定 著
四六判/312頁/3,850円
「空」のゼロ・ポイントの立場に基づき、『正法眼蔵』の「即心是仏」「三昧王三昧」などの各巻から仏・坐禅・言語・罪障観に関わる部分を論じた、道元禅参究の集大成。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10154118.html
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●『空海の詩〈新装版〉』
阿部 龍樹 著
四六判/200頁/2,640円
空海は天性の詩人だった。短い書簡から深遠な密教論まで膨大な著作の随所に漢詩が詠われている。彼の詩を読解しつつ、平易な言葉で空海の思想と人間性に迫った斬新な入門書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10154802.html
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●『空海の般若心経〈新装版〉』
阿部 龍樹 著
四六判/208頁/2,420円
空海は心経をどのように読み解いたか? 最晩年に自らの密教思想を集大成するテキストとしてなぜ心経を選んだのか? 従来の見方が革命的に変わる空海版「般若心経」の世界。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10154803.html
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●『神秘的経験の諸相――二十一世紀の研究と展望』
デビッド・B・イエイデン、アンドリュー・B・ニューバーグ 著 / 葛西 賢太、杉岡 良彦、冲永 宜司 訳
四六判/612頁/6,820円
多種多様な神秘的体験を調査し、特徴によって分類、その原因や文化・思想・宗教との関係、生活に対する肯定的・否定的な影響などを包括的に研究した現代の神秘的体験全書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10155857.html
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●『野球の美学』
根岸 貴哉 著
四六判/224頁/2,420円
美しいフォーム、芸術的なバッティング、壮麗なグラウンド……なぜ我々は野球に「美しさ」を見出すのか。より豊かで深い野球体験、スポーツ視聴・観戦体験への扉を開く。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10159026.html
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●『家族生活と親密性の社会学――つながりの再編を捉えるための視点をひらく』
デボラ・チェンバース、パブロ・グラシア 著 / 松木 洋人、永田 夏来 監訳
A5判/336頁/3,520円
LGBTQ+や移民、生殖補助技術など、現代の家族の変化と多様性に注目し、グローバルな視点から実証的データで分析する定評あるテキスト。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10155860.html
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●『本当の自分に〈気づく〉心理学――超個人的アイデンティティ』
百武 正嗣 著 / 対談 藤田 一照
四六判/232頁/2,200円
「いま・ここ」の気づきから身心を統合するゲシュタルト療法を軸に、「私」のさまざまな層に眠る未完了な問題を解きほぐす。禅との接点、そしてミニ・サトリの可能性とは?
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10154119.html
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●『贅沢な戯れ――スキップ・センペ、古楽を語る』
スキップ・センペ 著 / 濱田 あや 監訳・訳 / 岡田 宏子 訳
四六判/336頁/3,300円
幅広いレパートリーで21世紀の古楽シーンを牽引してきた俊英スキップ・センペによるエッセイ・対談を日本語化!ルネサンスからバッハまで、古楽の魅力を存分に語りつくす。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b663869.html
*今月の営業部イチオシ本*
●『何が私をこうさせたか――金子ふみ子獄中手記〈普及版〉』
金子 ふみ子 著
四六判/344頁/1,870円
大正時代、貧困と虐待に抗して懸命に生き、のちに朝鮮人革命家・朴烈とともに大逆罪に問われ獄中で自死した女性が綴る自らの生涯。没後100年を迎えるにあたり、死後の五年後に刊行された1931年初版の「記録」を復刊。
高島鈴氏推薦!
「百年の時を超えて、胸ぐらを掴まれる。
あなたの生きざまが、まなざしが、
今も私ごと、世界を激しく貫いている。」
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10155859.html
映画『金子文子 何が私をこうさせたか』(浜野佐知監督作品)2026年2月28日より全国順次公開中。
https://www.youtube.com/watch?v=CbLbyqwaulA
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★近刊案内(2026年3月刊行予定)★ https://www.shunjusha.co.jp/search/next.html
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●『インド思想史 下』
吉水 清孝 著
A5判/328頁/4,180円
最新の研究成果を反映し、発展的な内容も収録したインド思想史の決定版。下にはヴェーダーンタから仏教の終焉までを収録。補論で中世の法典と生身解脱に触れる。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10154123.html
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●『医学とはどのような学問か――医学概論・医学哲学講義〈改訂版〉』
杉岡 良彦 著
四六判/304頁/3,520円
医学の方法論、倫理や価値、教育現場の構造をも吟味解説した初版を全面アップデートし、共感・共苦に関する1講も付加、実践知と人文知のバランスを養う画期的入門講義。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10159368.html
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●『キャラクターストレングス――「徳性の強み」でよく生きるポジティブ心理学』
ライアン・ニーミック 著 / 宇野 カオリ 訳
A5判/536頁/4,950円
人間観・世界観が変わる「幸せになる自分軸」の科学的エビデンスを解説。「強み×ウェルビーイング」のすべてがこの一冊に凝縮! 「強み活用」70の実践ワーク付き。
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●『[梅津時比古セレクション][2]ざわめく菩提樹――シューベルト研究1』
梅津 時比古 著
四六判/616頁/6,600円
歌曲集《冬の旅》の作品空間を捉える斬新な視点。シューベルト研究に多大な貢献を成した『冬の旅―24の象徴の森へ』『死せる菩提樹』(ドイツでも刊行された労作)を収録。
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●『いつも音楽のことを考えていた』
仲道 郁代 著
A5変判/104頁/2,420円
演奏活動40周年を迎えるピアニスト・仲道郁代が音楽や人生と向きあうなかで綴ったエッセイ集。日々のふとした思いから演奏哲学まで、繊細な心の内を明かす。
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♪楽譜〈新版〉♪ 計1点
●『[新版]リスト ピアノ作品集[6]――演奏会用パラフレーズ集』
井口 基成 編集・校訂・運指 / 近藤 嘉宏 解説
菊倍判/216頁/3,300円
ワーグナー:
《タンホイザー》序曲 S.442
夕星の歌(《タンホイザー》より「おお、お前、優しい夕星よ」) S.444
ヴァルトブルク城への客人の入城(《タンホイザー》より) S.445/1
祝典と婚礼の歌(《ローエングリン》より) S.446/1
紡ぎ歌(《さまよえるオランダ人》より) S.440
イゾルデの愛の死(《トリスタンとイゾルデ》より) S.447
モーツァルト:
《ドン・ジョヴァンニ》の回想 S.418
ヴェルディ:
リゴレット・パラフレーズ S.434
メンデルスゾーン:
結婚行進曲と妖精の踊り
(《真夏の夜の夢》より) S.410
グノー:
《ファウスト》よりワルツ S.407
新版に寄せて
解説
フランツ・リストのピアノ音楽
楽曲解説
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10159369.html
(※刊行時期は変更となる場合がございます。)
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☆重版情報☆ https://www.shunjusha.co.jp/news/nc3760.html
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●『今日は何の日? まるこの日めくり仏教小咄』
露の 五九洛(団姫) 著
四六判/2024年12月刊/2,420円【2刷】
毎日にひと笑いと豆知識を!
テレビでも活躍する落語家兼天台宗尼僧のまるこさんが語る、その日が何の記念日であるかをもとにして主に仏教に絡めたクスリとくる小咄366日分(うるう日を含む)。
日めくり1日1小咄で仏教をはじめとする宗教や文化の豆知識が楽しく学べる一冊。
●本書は電子版もございます
https://www.shunjusha.co.jp/book/b654799.html
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□営業部だより□
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2026年3月7日(土)11:30-16:30、東京都足立区綾瀬の あやセンター ぐるぐる (park)にて、 「世界とつながるブックフェア」 https://note.com/africanwhale/n/n3ef465416867 が開催されます。
世界の国や地域、文化や歴史、人々の暮らしや個人の経験にまつわる本や考えるきっかけをくれる本、文学や小説、ノンフィクション、エッセイ、紀行文、写真集、ZINEやリトルプレスまで、さまざまなかたちの「世界を読む本」が集まります。
小社も、 シリーズ「アジア文芸ライブラリー」 https://www.shunjusha.co.jp/search/s19013.html で参加いたします。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております
(予約不要・入場無料ですが念のため https://peatix.com/event/4853471 で参加表明をお願いします)。 (E)
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■バックナンバー
【Vol.083】 2026年 2月 6日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9477
【Vol.082】 2026年 1月 2日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9434
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