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メールマガジン Vol.087

※HTML版はこちらをご覧ください。
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 春秋社 メールマガジン【Vol.087】
   2026年 6月 5日配信
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巻頭言

京都は何度訪れてもまた行きたくなる、不思議な魅力をもつ街だ。古社寺、碁盤の目の町並み、祭礼、花街、伝統工芸、京料理――こう並べるだけで、なんとなく都の景色が立ち上がってくる。観光地としても定番中の定番。すでに語り尽くされてきたようにも思えるのに、私たちがなおもこの都に惹かれてしまうのはなぜなのだろう。
今回、『もうひとつの京都入門――もっと知りたい千年都市の歩き方』(鳥居本幸代著)の原稿を読んで、その理由が少しわかった気がした。京都という街の魅力は、名所の多さや歴史の厚みだけではなく、その奥行きにあるのではないか。平安京以来の長い歴史のなかで、文化や習俗、人々の営みが幾層にも折り重なり、かたちづくられてきた都。いわば複数の時間軸から立体的に読み直せるのが、「京都」のおもしろさなのではないか、と。
伝統を大切にしながらも、新しいものを柔軟に取り入れていく「新しもん好き」の気質もまた、この街らしい一面だ。京都には名だたるグローバル企業がいくつもあるが、花札の製造から出発した任天堂がいまや世界のNintendoとなったことは、その象徴的な例といえるかもしれない。新しい技術や表現が生み出されてきた場として京都をとらえ直してみると、よく知られた歴史のなかにも意外な物語が見えてくる。
昨今はオーバーツーリズム問題も取りざたされるが、「京都を訪ね歩く」という営み自体は決していま始まったものではない。江戸時代にはすでに京都旅行ブームがあり、貝原益軒は案内記『京城勝覧』を著し、京の名所を17日間で巡るモデルコースを紹介した。名所や名物の解説と絵図を収めたガイドブック『都名所図会』は当時のベストセラーになった。見どころを調べ、おすすめを頼りに街を歩く。今日のスマホ片手の観光スタイルとそう変わらない情景が、時をこえて重なり合う。
時代が変わっても、人々が京都に惹かれる理由はそう変わらないのかもしれない。知れば知るほど、その奥からまた「もうひとつの京都」が顔をのぞかせる。だからこそ「もっと知りたい」という気持ちが湧いてくるのだろう。ひとたびそこに足を踏み入れてしまったが最後、もう戻れない。かくいう私もまんまとその術中にはまってしまったようだ。(j)
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■目次■
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼新刊案内(5月刊行)
▼近刊案内(6月刊行予定)
▼重版情報
▼営業部だより

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☆ webマガジン「web春秋 はるとあき」☆ https://haruaki.shunjusha.co.jp/
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●好評連載●
○言葉の舞台裏 演劇翻訳の悩ましき日常 小田島創志 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1156
演劇翻訳家の「三代目」として生まれ、シェイクスピアの新訳からミュージカル、現代演劇まで数々の舞台を手掛ける気鋭の若手が、演劇翻訳の苦悩と楽しみを綴る。
【第2回】書き直しと稽古場の日々 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9612
【第3回】翻訳不可能?な台詞 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9670
○スカートの裾を投げて――女性シンガーソングライターとポストフェミニズム  星川彩 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1142
自身もシンガーソングライターである著者が、日本の女性歌手の主体性や彼女らをめぐるジェンダーロールについて考えてゆく。
【第4回】「泣かないわたし」という選択 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9636
○イタリア文学哲学散策――特にルネサンス文化下の著述家たち  澤井繁男 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/categories/1139
パヴェーゼ(1) → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9564

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★「じんぶん堂」好評連載中!★
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力を発信していくプロジェクト” 「じんぶん堂(powered by 好書好日)」では書籍紹介や読み物など、魅力的な内容をお届けしています。ぜひご覧ください。※木曜日更新(月3回)
◇5月7日 公開◇
現代ロシアの「グプタ朝化」とアウラングゼーブの影 → https://book.asahi.com/jinbun/article/16517154
◇5月14日 公開◇
善き殺人と、不寛容な寛容――「慈悲」と「包括」の一面 → https://book.asahi.com/jinbun/article/16537064
久しぶりのアップデートかつ、従来とは違った観点も盛り込んだ『インド思想史』上下巻 著者の 吉水清孝氏が、ロシアのウクライナ侵攻をインド史と関連付けて語る。
書籍はこちらから → 『インド思想史 上』『インド思想史 下』

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★新刊案内(5月刊行)★  https://www.shunjusha.co.jp/search/new.html
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●『心とはなにか――仏教の探究に学ぶ〈新装版〉』
竹村 牧男 著
四六判/200頁/2,530円
仏教の歴史は心の探究史。原始仏教・アビダルマの意識から唯識の無意識、大乗の如来蔵、そして日本人特有の心のあり方へと、私たちの心の豊かさを説き明かす。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10166441.html
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●『えほん ごはんのこころ』
前田 まゆみ 著
B5変判/32頁/2,200円
日々の食卓に、あたたかな想い。ヴィジュアルとやさしい文章で描く、懐かしくも現在進行形の「食」の風景。食文化の源流を訪ねつつ、食材・道具・調理・感謝の心を見つめる。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10166216.html
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●『天海――徳川三代と寛永寺』
水上 文義 著
四六判/240頁/2,750円
家康の神格化(東照大権現)、日本初の一切経の刊行、寛永寺の建立など多彩な活躍で知られる天台宗僧侶・天海。徳川幕府の「黒衣の宰相」として知られるその実像に迫る。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10166448.html
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●『SNSと交換様式――しらけるという倫理にむけて』
物江 潤 著
四六判/216頁/2,420円
炎上、デマ、ポピュリズム……「不安定こそが正常」である過激なSNS社会において、今われわれに求められる倫理とは何か。柄谷「交換様式論」を用いて根本から考察する。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10166229.html
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●『宿命を超えて、自己を超えて〈新版〉』
ヴィクトール・E・フランクル、フランツ・クロイツァー 著 / 山田 邦男、松田 美佳 訳
四六判/216頁/2,640円
苦境に絶望することなく、過剰な自己意識も脱して、人生を切り拓くにはどうしたらよいか。ロゴセラピーなど、フランクル思想のエッセンスをわかりやすく語った講演・対談集。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10166228.html
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●『州首相になったヨーガ僧――ヨーギー・アーディティヤナートの半生』
シャンタヌ・グプタ 著 / 加藤 隆宏 訳
四六判/336頁/3,630円
インドの州首相でもありヨーガ僧の活動を描いた伝記。多民族多宗教国家である現在のインドにおけるヒンドゥー・ナショナリズムや政教分離の問題を知ることもできる格好の書。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10166218.html

*今月の営業部イチオシ本*
●『[アジア文芸ライブラリー]シュグデン』
グン・アヨルザナ 著 / 阿比留 美帆 訳
四六判/392頁/3,520円
万城目学氏(作家)推薦!
「はじめて私たちの前に現れるモンゴル現代文学。はじめての手触り。はじめての語り。しかも、ミステリー。どこへ連れて行かれるのか。固唾を呑んで楽しもう。」
仏教僧院で起きた不可解な銃撃事件。謎を追う警察犬トレーナーのセルジャムツは、故人の親友サマンダと出会い事件の謎を追ううち、禁忌とされた信仰へとたどり着く。
装幀:佐野裕哉
装画:佐伯洋江 Untitled (HS264), 2019.
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10166230.html

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★近刊案内(6月刊行予定)★  https://www.shunjusha.co.jp/search/next.html
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●『観音さまと生きる――石山寺縁起絵巻とわたしたち』
鷲尾 龍華 著
四六判/200頁/2,640円
滋賀県大津市にあり、紫式部とゆかりある古刹・石山寺初の女性座主である著者が、重要文化財である『石山寺縁起絵巻』を用いながら、観音さまのありがたさについて語る。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10168974.html
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●『もうひとつの京都入門――もっと知りたい千年都市の歩き方』
鳥居本 幸代 著
四六判/200頁/2,420円
まだまだ知らない京都に出会う。平安京の面影、町衆文化の鼓動、近代に誕生した古都の息づかい。3つの時間軸・45の視点で読み直す、京都という日本の原点とその奥行き。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10168973.html
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●『絶対音楽――その理念史』
マーク・エヴァン・ボンズ 著 / 堀 朋平、西田 紘子 訳
四六判/532頁/5,940円
音楽の本質をめぐる問いの歴史をひもとく壮大なスケールの音楽思想史。音楽そのものに本質をもとめる「絶対音楽」の理念を鍵に、古代から近代へ音楽美学の系譜をたどる。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10166223.html
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●『新しいインド音楽の世界――混沌と刺激のサウンドを求めて』
軽刈田 凡平 著
四六判/328頁/2,640円
インド音楽ライター・軽刈田凡平(かるかった・ぼんべい)が、「映画」や「カレー屋のBGM」などのさまざまなトピックから、世界で最も面白いインド音楽の世界を切り開く。
https://www.shunjusha.co.jp/book/b10168977.html

(※刊行時期は変更となる場合がございます。)

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☆重版情報☆ https://www.shunjusha.co.jp/news/nc3760.html
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●『倍音――音・ことば・身体の文化誌』
中村 明一 著
四六判/2010年10月刊/2,750円【13刷】
風鈴の音を楽しみ、鈴虫の鳴き声を愛でるのは、世界でも日本人だけ。他の国々の人には雑音にしか聞こえていない音をわれわれが感ずることができるのはなぜか。
お笑い芸人が売れるための鉄則から、古来より伝わる秘伝の呼吸法「密息」までつなぐ画期的身体文化論。
「音楽家の書く文章はそれ自体が音楽で、倍音についての文章からは倍音が立ち上がる。日本文化の深層を理解するための一冊」――内田樹氏、大絶賛!
https://www.shunjusha.co.jp/book/b491495.html

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□営業部だより□
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前回の「メールマガジン Vol.086」でお知らせいたしました、シリーズ アジア文芸ライブラリー 『シュグデン』(グン・アヨルザナ著)の訳者 阿比留 美帆氏と、本書に推薦文を寄せた直木賞作家の万城目 学氏との刊行記念トークイベントが日程変更となりましたので、以下ご覧ください。
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「はじめて私たちの前に現れたモンゴル現代文学」(登壇者:阿比留 美帆、万城目 学)
◇日時:6月20日(土)19:00~20:30
◇場所:本と珈琲の店UNITE(ユニテ)|東京都三鷹市
※来店でのご参加は https://unite-books.shop/items/69e848088fe7182191da875f から
 オンラインでのご参加は https://unite-books.shop/items/69e886bbfe1d6b95589b25f3 から
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みなさまのご参加を心よりお待ちしております。 (E)

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□春秋社 メールマガジン□ 毎月1回(第1金曜日)配信
発行:株式会社 春秋社
〒101-0021 東京都千代田区外神田2-18-6
ホームページ: https://www.shunjusha.co.jp/
X(旧Twitter): https://x.com/shunjusha
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◆表示価格はすべて税込です
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(TEL:03-3255-9611 FAX:03-3253-1384)

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■バックナンバー
【Vol.086】 2026年 5月 1日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9648
【Vol.085】 2026年 4月 3日 配信 → https://haruaki.shunjusha.co.jp/posts/9584
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