ヘヴィー・メタル。音楽そのものもだが、音量、ヴィジュアル、歌詞など、あらゆる点で振り切れたこのジャンルは、誕生以来多くの国で愛憎の的となり、今なお人々の心と頭を揺さぶっている。音楽は聴いたり演奏したりするだけでなく、考えても面白い。ヘヴィー・メタルを学術的に研究・考察しようという動きは2000年代以降急激に盛んになる。今日では国際学会も設立され、日々多くの研究者がこの音楽の魅力や謎、あるいは問題点に取り組んでいる。本連載ではそんな近年の成果も紹介しつつ、様々な角度からヘヴィー・メタルとそれをとりまく文化を捉えてみたい。「メタル文化学入門」の開講である。
はじめに
スカートの裾を投げて――女性シンガーソングライターとポストフェミニズム 星川彩
なぜ近親相姦と呼ばないか
〈性〉なる家族 信田さよ子
「空地の思想」を譲りわたす⸺川崎市河原町高層住宅団地
戦後を譲りわたす——日本の「モダン・ムーブメント」建築史 岸佑
母からの性的まなざし
〈性〉なる家族 信田さよ子
ダンス天国、ゴア!
軽刈田凡平の新しいインド音楽の世界 軽刈田凡平
神話に登場する鳥と、神話時代の鳥観
人と鳥の文化誌 細川博昭
ヒポクラテスとアスクレピオス
疫病論 西谷修
〈私〉の気づきと《私》の築き
人生というクソゲーを変えるための仏教 ネルケ無方
仏教とは、ゲームを降りること
人生というクソゲーを変えるための仏教 ネルケ無方
父は娘を殴ってはいけない、性的存在として見てはならない
〈性〉なる家族 信田さよ子