世紀末の鍵盤ハーモニカ
19世紀のヨーロッパにおいて、オーケストラやアンサンブルの中で代替楽器としての役割を担い、さらにはインフルエンサーマーケティングによって商業的な成長を遂げた鍵盤ハーモニカ。今回はそんな鍵盤ハーモニカがいかにして世紀を跨ぎ、現代まで生き残っていったかを追っていきたいと思います。
凪の時代のハルモニ゠コール
前回ご紹介した「アルモニフォン」が誕生してから約15年間に、バンドネオンやアコーディオン、コンサーティーナといったフリーリード楽器たちの開発、改良、模造品、特許取得……などなどが雪崩のように押し寄せてきます。その最中「オーボエ風の唄口のついたレバー式のフリーリード吹奏楽器」といった、鍵盤ハーモニカに近しいものがいくつか姿を表すものの、アルモニフォンほどのビッグウェーブはなかなかやってきません。
(続きは書籍でお楽しみください)