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アルス・ピヤニカ――鍵盤ハーモニカの楽堂 南川朱生(ピアノニマス)

半地下の鍵盤ハーモニカ

  前回の記事では、海外の鍵盤ハーモニカを参考に製造した日本産の鍵盤ハーモニカが、主要3メーカーより発売され、それらが教育現場へ到着すると同時に、これまで音楽室の「一人一台楽器」の王者だったハーモニカの栄光に、うっすら不穏な影が現れ始めた……というお話をしました。

 王座が揺らぎ始めた理由について、少しだけ時を戻して、1961年末の業界紙を見ていきましょう。

 

1961年末、「波」に乗れなかったハーモニカ

 この頃、巷ではザ・ビートルズ、ザ・ベンチャーズなどの世界的ロックアーティストらの来日を目前に、第一次エレキギターブームが起きようとしていました。そんな1961年末、『楽器商報』は「音の業界1961年」という見出しで、以下のようなニュースを報じています。

(続きは書籍でお楽しみください)

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著者略歴

  1. 南川朱生(ピアノニマス)

    1987年生、東京都在住、元IT企業の銀座OL。日本を代表する鍵盤ハーモニカ奏者・研究家。世界にも類を見ない、鍵盤ハーモニカの独奏というスタイルで、多彩なパフォーマンスを行う。

    所属カルテット「Tokyo Melodica Orchestra」は米国を中心にYoutube動画が35万再生を記録し、英国の世界的ラジオ番組classic fmに取り上げられる。研究事業機関「鍵盤ハーモニカ研究所」のCEOとして、大学をはじめとする各所でアカデミックな講習やセミナーを多数実施し、コロナ禍で開発したリモート学習教材類は経済産業省サイトに採択・掲載される。東京都認定パフォーマー「ヘブンアーティスト」資格保有。これまでにCDを10作品リリースし、参加アルバムはiTunesインスト部門第二位を記録。楽器の発展と改善に向け多方面で精力的に活動している。趣味は日本酒とテコンドー。

    【オフィシャルサイト】https://akeominamikawa.com
    【鍵盤ハーモニカ研究所】https://melodicalabo.com

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